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かながわ短編演劇アワード2021のこと

もう6か月も前の話になるのですが、この場に書き留めておかないのもなんだかなあと思い、ご報告です……。

3月20日に神奈川芸術劇場で行われた、
「かながわ短編演劇アワード2021 戯曲コンペティション」において、
『@Morikoka(僕=村田青葉の場合)』
が、グランプリを受賞いたしました。

かながわ短編戯曲賞 (1)

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応援してくださった皆様、その後、気にかけていてくださった皆々様、本当にありがとうございました。
(それにしても締まりのない顔をしているなあ…)

一度目の講評の段階から動機が激しく、手汗により万年筆はにじみ、しかし頭は真っ白であるようで、でも同時にクリアーでもある、みたいな不思議な感じでした。

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当時のメモ。手汗で滲む文字。
ありがたい言葉をたくさんいただいていたんだなあ、と改めて。(都合のいいことばかり書き取っているかも)

「また書いて欲しい」「今後どんなものを書いていくのか興味がある」
とおっしゃっていただき、自身でも
「賞をいただいた以上は、賞に負けないように精進して、またこの賞の価値を高められるように……」
などと話していたのに、半年間のこの体たらく・・・。
本当に方々に申し訳なく思っております。

というのも、きっと、急に飛ぼうとしてしまったこと(あるいは飛んでいると思ってしまったこと)が原因で、そりゃあ急に飛ぶことなんてできないわけですから、ちゃんと地に足をついた状態で、それでも目一杯上に手が届くように”せのび”をして、今後は頑張っていけたらなと思っております。

ーーーーー

この半年間のことも少し書き留めておきます。
(自身の整理のため、暗めの長文になりそうです。読み飛ばしていただいて構いません。)

今にして思えば、その少し前くらいから、どうやら精神的には下降線を辿っていたのですが、
(冬の時期になるとどうしても気分が沈んでしまいます。。あるいは3.11という日の影響なんて思ったりもしていました。)
賞をいただけたことがカンフル剤となって、(見かけ上は)上向きに。
しかし時間が経ってその効能が切れると、リバウンドで大きく沈み込む……

という感じでした。
(あくまで、創作におけるメンタリティの話です。)

あとは、分かってはいたことなのですが、
「演劇の賞をいただけたからといって、なにも劇的に変わることはない。
とくに街行く人なんて、誰も顔も名前も知らない。」
と、何度も言い聞かせ、盛岡に帰り着き、日々を過ごしていました。
そしてそれは、その想定通りでした。
(「そりゃすぐには芽は出ないだろうけど」、という劇団員の助言に、「分かってはいる」と言いつつも、心のどこかでは何かに期待していたんだと思います。)

そんな当然のことなのに、地味に気持ちがめげていたようで。
なんか変に利口にならずに、
「賞を取った!!!やったーーーー!!!」
くらいに、せめて受賞して数日とか、せっかく祝ってくださった皆様(本当にありがとうございます…!)の前では喜んでも良かったよなあ、などと思ったりもしています。

なんで「いや、何も変わらないですよ。こっからやっていかないと。」って、実際に思ってもいたし、事実ではあると思うんですけど、その
「やらなきゃ」
っていう考え方を身に着けてしまっていたのかなあ、と。

「やりたい」
が根源には必要だ、というのが、最近の回復してきたメンタルの自分の考えです。
どうやら自分は「やらなきゃ」で、動き続けられるほど強い人間じゃないみたいでした。それから「やらなきゃ」を「やりたい」に変換できるコンバーターも少しいかれちまってたみたいで。(多分、精神状態にもよる。)

そんな中で思う、次回の公演のスケジュールは、ゆるく強制力もない「やらなきゃ」だったので、動けず。
(もしかしたら強い強制力があったら動かされた?)
それから生の舞台表現は、このような社会情勢の中ではどうしても苦境に立たされてしまうわけで、見なきゃいいのにそのような関連の情報を目にしたり、手に取ったりしては打ちひしがれ……。
(SNSとの付き合い方も上手じゃないんだよなあ、と思ったり。)

こんな感じで、自分というものについて考える時期でした。
(それもいつも通りかもしれませんが、、、)
あと大事なのは「比較をしない」ということ。
しつけの悪い犬みたいに何度言い聞かせても分かっちゃくれないんですけど、これは本当に、閉じこもるわけではないけれども、自分のはかりをしっかり持っていないと、と。

正直、整理もついているかどうか分かりませんし、また弱ってへたってしまう可能性は十分にあるのですが、今はなんとか立てている。
ので、この期間に(遅くなりましたが)報告と、作品を創るということに向き合ってみようと思っています。

現在は『セミとケンタウルス』という作品と、『せをのばす』という作品に着手しています。
上演に向けて、また劇場で皆さんにお会いできる日を願って。
お返しできる手段が、やっぱり作品を創ることしかないんじゃないかなと思い。(いらねえお返しかもしれませんが、、)

頑張っていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。

2021.9.17 村田青葉

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