ねこちゃん



・ゴムの鎖に繋がれたねこちゃんと出会う。そのねこちゃんの世界は、家からその鎖までの空間と距離。3mくらいの鎖。じいっと見てくるから、敵じゃないよって挨拶した。うすいあおのきれいな眼。透き通ってる。ねこちゃんは手を舐めてお返事してきた。

許可を得たのでしばらくねこちゃんをみる。鎖がじゃまして歩きにくそう。走ったりとび上がることもない。できないと諦めてるのかな。遠くをみてる。ツンと熱い。なんか、涙でそう。

ねこちゃんのこころは分からない。今日出会ったばかりだから。でもねこちゃんの暮らしはねこちゃんしか分からないもので、ねこちゃんが満足しているかどうかはねこちゃんが決めることだ。
そう考えたら涙がひっこんだ。

わたしは家に帰って食べたかったチーズケーキをむしゃむしゃ食べた。わたしはわたしを生きることで精一杯だ。
素敵なことを教えてくれたねこちゃん。また会いにいこう。