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まわりみちの先に


その小さな体でも見つけてもらえるように
大きく大きく力強くみせるようにした動きは、
自分の名前が付いたコンサートでも
変わらずひときわ存在感を放っていました。

「私を見て」と訴えかけてくる
不器用で大袈裟だったかもしれない動きも、
変わらない「一生懸命さ」と「全力」を
「努力」と「心」に通すことで
自分らしい表現へと昇華させていきました。


* * *


あなたと共に歩んできた軌跡は、
まわり道だったかもしれません。
心が傷つくこともあったかもしれません。

でも、全然そんなこと感じませんでした。

だって、「好き」という気持ちがあったから。
あなたが傷の癒し方を教えてくれたから。
立ち上がる勇気をくれたから。


まわり道したおかげで
心の居場所を訪れられました。

拾い上げた感情の1粒ひとつぶを
胸いっぱいに抱きかかえ、
自分の手で育てるあなたがいました。

どの感情も溢れさせないように
それぞれを紡いで、
"言葉"にして届けてくれました。

私の胸に届いたその言葉は、
きっと心の居場所の方角を示す標識として
私を導いてくれる、そんな気がします。



* * *


鳴り止まない拍手。

最後だけじゃありませんでした。

『アンダー』の後。
『日常』の後。
『忘れないといいな』の後。

MCにかかっても鳴り止まない拍手がありました。

素晴らしいものには一層の拍手を贈る
今までにない会場の熱がありました。


「言葉が思いに足らないとき」
音楽や歌詞やダンスに乗せて伝えるのが
彼女のパフォーマンスでした。

そんな思いが会場全体に届き
自然と起こった愛の形だったんじゃないかと。

最高のパフォーマンスを届けてくれて
最高の愛する人たちと巡り逢わせてくれて
ありがとう。



* * *


ライブ前、不安で震えていると言ってたから
「最初で泣いちゃうんじゃないかな」
そう思ってたよ。

でも、そんなことなかったね。

パフォーマンス中に時より見せる笑みは
自信に溢れた堂々とした表情だったと思う。

「やったよ!」「出し切れてるよ!」
「日奈子、こんなに成長したんだよ!」
私の心には、その聞こえない声が、
届いて響き渡っていました。

想像を超えて、笑顔でラストステージを
見届けられたことがすっごく嬉しい。
本当にありがとね。



* * *


一面の青で共鳴する会場。
あの夏の衣装。
想像を超えた、衣装を替えての登場。


目線を一秒たりとも逸らすまいと
前を向き続けた最後の『日常』は、

真っ向から感情をぶつけ
返ってくる感情を全部受け止める

"北野日奈子の活動そのもの"
を表現したパフォーマンスでした。

感謝と信頼と希望が詰まった眼差しに
あなたを応援できた幸せから
涙が溢れてきた瞬間でした。


過去も現在も未来も、全てが詰まった
代名詞の集大成でした。

今までで1番の『日常』だったよ。




・・・・・・・・・・・・・・・・


卒業コンサート終わってしまいました。

早朝出発ということもあってあまり寝れず
思いをめぐらせながら朝を迎えました。



夜明け前、数分間だけ夢に落ちていました。

曖昧な意識の中、私の心を訪れた彼女は、
「……………………これからも。」
と伝え、深い抱擁を交わしていました。


残り1か月。
届けてくれた幸せを返せるように。
彼女からの幸せも受け止められるように。

大切に1日1日を過ごしていきます。




あなたを応援できたことを誇りに思います。

いま私の胸は幸せでいっぱいです。








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