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「歌い継ぐ」から「歌い紡ぐ」へ 〜乃木坂46 9th YEAR BIRTHDAY LIVEを見て〜


先日、2/23に無観客配信ライブにて乃木坂46のデビュー9周年をお祝いする『乃木坂46 9th YEAR BIRTHDAY LIVE』が開催されました。


その序盤に披露されたのが、
『ぐるぐるカーテン』
『インフルエンサー』
『シンクロニシティ』
『何度目の青空か』
『帰り道は遠回りしたくなる』
『君の名は希望』

の乃木坂46を代表するシングル5曲なのですが、
個人的にここが物凄く良かったので、
ここに書いて記しておきたいと思います。
(本当は全編描いたのだが9割消えてしまったので…)


はじまりの曲『ぐるぐるカーテン』で幕を開け、
その後全体を2組に分け、歌い継いでいき
『君の名は希望』の元に集う。

シンプルな構成ですが、その2組が異なる衣装を身に纏い、それぞれの曲に1番あった演出を行うことで、曲自体の魅力を最大限引き出すと共に、大きく変わる曲の雰囲気に没頭することができ、乃木坂46としての深みをより感じられる構成になっていたのではないかと思います。

初の全面配信形式のバースデーライブということで、多くの人が視聴することを考えるとベストなものであったと思います。


また何より良かったと思うのは、2つの組に分ける時、選抜,アンダー,期生,年齢…関係なく、入り乱れる形にしたことです。フォーメーションも上手く混ざり合うことで調和し、「オール乃木坂」を感じさせるものでした。

25thシングルでは期生別楽曲があったり、
46時間TVでは期別企画があったり、
今回のバスラでも期別ライブがあったり、
と、ここ最近は期別での活動の印象が強かったような気がします。

これも1〜4期まで、メンバーも充実してきた今だからこそできるもので、それぞれの絆や思いが強くなるものだと思うのですが、どこか一つの乃木坂が分かれてしまっているような気がして、寂しさがあったようにも感じます。
そう言った活動が増えていたことで、メンバー側は何の問題もないと思いますが、ファン側で期別括りで見るようなことも無意識のうちに増えていってしまっていたと思います。


しかし今回、全メンバーで乃木坂46の代表曲を歌うことで、全員が積み重なって1つの乃木坂46なんだ、このメンバーで今の乃木坂46を作り上げていくいくんだ、という意気込み、覚悟みたいなものが感じられた気がしました。

過去をいまに「歌い継ぐ」
と同時に

いまといまを「歌い紡ぐ」

そんな意味も持ったライブな気がしました。


* * *


さらにこのパートの良かった所が、
メンバー起用、フォーメーションです。

センターだったまいやん(白石麻衣)が卒業して
初となる全体ライブでのインフルとシンクロ。

それぞれのセンターを
新生Wエースの山下&与田
乃木坂の核となった梅澤

が務めました。


山下&与田のWセンターのインフルは台北ライブだったかであったかもしれませんが、全体としてのライブ、バースデーライブでは初。

最新シングルでセンターを務め
モデル映画ドラマバラエティと
今や乃木坂の顔となりつつある山下。

『逃げ水』でセンターとなってから
休むことなく数多くのフロントを務め
常に最前線で戦ってきた与田。

誰もが認めるエース級の存在に成長した2人が、改めてバースデーライブでWセンターとして乃木坂の先頭に立つ姿はとても頼もしく感じました。


橋本奈々未の卒業の次シングルとして
白石麻衣・西野七瀬の両エースを
Wセンターとして臨んだ『インフルエンサー』。

その両エースが卒業し不在となったいま、同じポジションにつき、その役割を全うしようとする決意はパフォーマンスからも伝わってきました。

「○○の後を継ぐ」というより、
「○○のポジションを継ぐ」というのが、
過去を投影しすぎず、いまを大切にすることができると同時に、過去のメンバーが作り上げてきた意志を引き継いでいけるのではないかと思いました。


そう言った点でも白石麻衣センター曲である
『シンクロニシティ』は梅に、
『しあわせの保護色』は桃子に、
センターを分けたのは良かったと思います。
それぞれの曲の良さを引き出すにはこの形がベストだったと思います。

自分自身と闘いながら、
今の乃木坂46を繋げる、

「乃木坂46の核」に成長した梅。

間奏で彼女が先頭になって前へ歩く姿に
乃木坂46を背中で引っ張る姿が重なりました。

不安や心配が一切感じられない
強さと覚悟が現れたパフォーマンスは、
心が通じ合い、背中を支え、押しあげる

乃木坂46の結束力を象徴しているようにも
感じました。


2組に分け、オール乃木坂感を強く感じたからこそ、
この2曲のセンターを任された3人の
いまの乃木坂46における存在感
強く意識された気がしました。


センター以外のメンバー起用もよく、例えば、
乃木坂46屈指のダンスナンバーのインフルに
乃木坂46内でも随一のダンススキルを持つ
みり愛ちゃんをフロントで抜擢することで、
曲の魅力がグッと引き上げられる感じがしました。

他にも2組に分けたことで、
これまで全体のフロントになってこなかった
メンバーのフロント
があったり、
4期やアンダーが一緒にパフォーマンスしたり、
各メンバーにとっても意識の変化に繋がる
よい経験だったのではないかと思いました。


* * *


このオール乃木坂のブロックがあったからこそ、
この後の期別ブロックや2020年のブロックに
よりまとまりを感じられた気がしました。

2020年は乃木坂46にとっても
大変な1年だったと思いますが、
音楽番組への出演を中心に、
MVの作成や映画の公開、
そしてライブの開催へと
乃木坂46全体でバトンを繋いできた
そう振り返ることができました。


これまでのバースデーライブでは
全曲披露で乃木坂46の歴史を振り返る

ことに重きを置いていた気がしますが、
今回は「いま」を大切に
その印象が強かった気がします。


この次の青空は いつなのかわからない
だから今 空見上げ 何かを始めるんだ
今日できることを…

だからこそ『何度目の青空か』のこの歌詞が
すごく心に響きました。

特典のドキュメンタリーで久保ちゃんが言っていた
「私たちには今しかない」

今しか見せることのできないからこその輝きを
存分に見せてほしいです。



歴史を振り返るバースデーライブから
振り返る歴史をつくるバースデーライブへ。

ひとりひとりの思いを紡ぎ
いま を精いっぱい輝かせて。

その「輝き」が
「好きだったその場所」になる日まで。

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