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2021年8月14日(土)・塚本監督オンライントークレポート@川越スカラ座

7年目の『野火』。終戦記念日前日1か所目は埼玉の川越スカラ座さんです。MC舟橋支配人の進行でオンライントークを行いました。短くもざっくばらんなアットホームな時間となりました。

2021年8月14日(土) 10:30の回上映後
会場:川越スカラ座
MC:舟橋支配人

毎年8月には『この世界の片隅に』をはじめ戦争を描いた作品を欠かさずかけていらっしゃる川越スカラ座さんです。
 
舟橋支配人の呼び込みで大きな拍手で迎えられた塚本監督。「かなりいろんなところでリモートトークされてますね」と声をかけられ「(コロナ禍の)状況になってこういうかたちでだいぶやらせていただいていて終戦記念日に向かって今日と明日がひとつの山場です」と答えました。

コロナ禍で映画館も厳しい状況が続いています。「コロナ禍、そしてオリンピックのありようを経験してまた『野火』を観ると本質があらわになるという気がします」という舟橋支配人。塚本監督は「最初の方は『野火』と結び付けて考えていなかったのですけど、時間が経ってくると共通するいろんなものがどうしても見えてきちゃいますね」と応えました。川越はオリンピックのゴルフの会場となっていたそうですが、スカラ座のスタッフのみなさんは「一度決めたら何が何でも突き進む怖さ、同調圧力を利用する怖さ」があると感じたそうです。塚本監督は「『野火』をつくった者として戦争については話すのですが、コロナに関しては翻弄されっぱなし。オリンピックに関しても自分がしゃべることじゃないのかなと思ってあまり発言しなかったのですが、NHKの大河ドラマ『いだてん』で僕が演じさせてもらった副島さんという人が今のこの状況でやるかと(オリンピックを)返上しちゃうんですけど、副島さんみたいな人がいないというか。」と自身の演じた副島道正さん(※)に思いを馳せながら見解を述べました。

(※)日本人4人目のIOC委員で1940年に決定していた東京オリンピックを招致返上したキーマン

「幻の東京オリンピックがあったことを初めて知りました」塚本晋也(副島道正)【「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」インタビュー】

この日はじめて『野火』をご鑑賞のお客様に挙手いただくと会場の半分ほど。常連のお客様や毎回ご参加いただいてる方の姿もありました。

今後の作品について問われた塚本監督は「『野火』をつくったからと言って戦争専門監督というわけではないのですが、どうしても気になるのがそこなので自然とそのことを描いた映画を準備しています。それが非常に難しい企画で、またコロナのこともあってなかなかとんとんとは進まず今どうなるかとはらはらしている状況なんですが、慎重に少しずつ進めている感じです。ただ『野火』の上映に関しては毎年川越スカラ座さんにもやっていただいてありがたいなと思っています。何とか少しでも多くの人に見ていただかないとますますいけない世の中になって行ってしまってると思うので、何とか今後もみなさんに観ていただけたり人を誘っていただけたらありがたいと思っております」と述べました。大きな拍手に見送られてトークは終了しました。

この日は少しだけ『ヒルコ/妖怪ハンター』のお話も。主演の沢田研二さんについて塚本監督は「僕にとってはスーパースターだったんですけども、くったくなくお頼みしたら喜んでやってくれることになりました。最初は怖いのやだ、やりたくないっておっしゃってたんですけど。理屈じゃだめだと思ってつっつくような感じで「やりましょうよ~」とくねくね頼んだらやってくださいました。」とキャスティング時のエピソードを語りました。

そんな沢田研二さんが主演の映画『キネマの神様』(山田洋次監督)のロケ地が実は川越スカラ座さんなんです!スタッフのみなさんもエキストラで出演されているとのこと。ぜひ実際にお訪ねください。

川越スカラ座さん、ご来場のお客様、ありがとうございました!

川越スカラ座
川越スカラ座 (k-scalaza.com)

7年目の『野火』上映記録
8/14(土)~8/20(金)
8/14(土) 上映後、塚本監督オンライントーク

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