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『歌屑 伊藤悠初期短編集』伊藤悠(著)

荒廃した東京を走る列車を守り戦う少女たち。人を殺せない忍びの少年の悲しき戦い――etc。『新線西部軌道』、『黒白』、『黒突』、『影猫』、『影猫II』――伊藤悠が鮮烈な筆致で描く運命に抗い己を貫く者たちの生き様! 心揺さぶる傑作短編がついに初単行本化!

待望の短編集! 20年待ったよ…。

20年前の学生時代、面影丸に目もくらむ衝撃を受けて以来大ファン。
単行本化されてないウルトラジャンプの読み切りが読みたくて国会図書館に行こうか悩んだりもしたが、やっと単行本化された。

初期の作品なので拙いが、十分すぎるほど面白く、原点というか、バットのような確固とした芯を堪能した。

どの話もガツンガツン来る。皆川亮二とか藤田和日郎みたいにスタイルが完成されている。どの作品を読んでも伊藤悠だとわかる。

この人の作品、ベースは哀しみと希望なんだよね。読中読後、哀しみが勝ったり希望が勝ったり、どっちかわからないので油断ができない。心をしっかり持って集中して読む必要があり緊張する。そこも含めて大好き。

最新作を追い、作品がどんどん進化している様子を見たり、長編でカタルシスを得るもの最高だけど、短編で一刺しされるのもやっぱり大好きだなぁ。

#漫画 #感想 #伊藤悠

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