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『旅する小舟』ペーター・ヴァン・デン・エンデ(著)

世界を驚かせた旅する小舟、ついに日本上陸!
小さな紙の舟が、大海原を超えていく。壮大な夢物語。
人生の旅をつづける私たちに、勇気と知恵を与えてくれる絵本。

これは小さな紙の舟が大海原を超えていく旅を描いた、文字のない絵本。
鬱蒼と生い茂る森を抜け、葉っぱの影をくぐり、氷山の間を、魚たちの集団を通り抜け、嵐や大波に飲まれそうになりながら、恐ろしい海の怪物たちの間も抜けて進む小舟。
小さな舟はいつも独りぼっち。でも、独りだからこそ、波の上にも下にも広がる驚異的な自然の美しさ、素晴らしさに気づくことができる。
大人の読者も子どもの読者も、成長することや学ぶこと、そして人生のアップダウンや苦楽についても、この静かで力強い物語から大いなるインスピレーションを得られるだろう。

すばらしく奇妙で、奇妙にすばらしい。
ペーター・ヴァン・デン・エンデはこの『旅する小舟』で、壮大な夢物語を驚くべき緻密さで描き出してみせた。
― ショーン・タン

絵だけの絵本。セリフなど一切なく、モノクロで濃密な線画の連続にため息がでる。
油絵の傑作を見ると感動しか感じないが、なまじ線画だと労力も想像できるのでため息が濃くなる。

お話としては、大きな紙で作られた小舟が海から陸に流れてゆくだけなのだが、道中がファンタジー世界で、巨大海洋生物とか普通にいるので、その迫力に感動する。

一応人間もいて、自然破壊風刺がちょっとあるのだが、この世界をみてると、健気に頑張っとるね、としか思えず微笑ましかった。

ラストにちょっと予想外の展開があるのだが、文字での説明など一切ないので、すべて読者の想像に委ねられる。読み終わった人だけで、あれは○○だ、いや、☓☓だ、と盛り上がりたい。
個人的には「葬送」かな。釣りの意味がわからんけど。意味など無い、という気もする。

#読書感想 #読了 #ネタバレ

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