『旅する小舟』ペーター・ヴァン・デン・エンデ(著)
絵だけの絵本。セリフなど一切なく、モノクロで濃密な線画の連続にため息がでる。
油絵の傑作を見ると感動しか感じないが、なまじ線画だと労力も想像できるのでため息が濃くなる。
お話としては、大きな紙で作られた小舟が海から陸に流れてゆくだけなのだが、道中がファンタジー世界で、巨大海洋生物とか普通にいるので、その迫力に感動する。
一応人間もいて、自然破壊風刺がちょっとあるのだが、この世界をみてると、健気に頑張っとるね、としか思えず微笑ましかった。
ラストにちょっと予想外の展開があるのだが、文字での説明など一切ないので、すべて読者の想像に委ねられる。読み終わった人だけで、あれは○○だ、いや、☓☓だ、と盛り上がりたい。
個人的には「葬送」かな。釣りの意味がわからんけど。意味など無い、という気もする。
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