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2024年2月の記事一覧

『ダンジョン飯 全14巻』九井諒子(著)

完結したので一気読み。ギャグメインでありながら、まさかここまで綺麗に畳むとは、と感動。文句なしに傑作。最後の一コマまでギャグなのが美しい。 お話は、魔法やダンジョンがある世界、レッドドラゴンに敗れた主人公一行は、ドラゴンに食べられた仲間ファリンを一刻も早く蘇生させるため、ダンジョン内の魔物という超ゲテモノを食べる覚悟をして下層へ挑む。しかし主人公ライオスは昔から魔物が大好きで、いつかは食したいと思っており…。 魔物食が全体を通したテーマ。動植物だけでなく、ミミックや動く鎧

『奇妙な絵』ジェイソン・レクラク(著)中谷友紀子(訳)

オカルトで、ホラーで、ミステリ。お見事!  助走(というかトンネル)が本の半ばまで続き、主人公マロリーの弱さやヒステリックなところに読者がうんざりしてからの流れが素晴らしい。まさかそう来るとはね! ベテラン作家のような貫禄を感じる。 お話は、薬物リハビリ明けの主人公マロリーが、社会復帰のためベビーシッターの職を紹介され、なんとか就職にこぎつけるも、5歳のテディはアーニャという見えないなにかと喋ってるし、本人の知らないうちにホラーな絵を書いてるし、それがどんどんエスカレートし