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Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5(I型) はSIGMA fpでどう写る?

前回の投稿では、個人的にSIGMA fpはオールドレンズ遊びに最適なカメラだとまとめました。

ただ、広角、超広角のMマウントのレンズでの色被り問題は、実際どうなるんだろうかと、記事を書きながらぼや~っと考えていました。

そこで実際に人柱してみることにしました。その結果は...?

少し悩んだ結果、SUPER WIDE-HELIAR 15mmを選びました

もともと、せっかくのフルサイズ機なので、APS-Cでは選択肢の少ない、20mm以下の超広角レンズを一つ欲しいなと思っていました。

特に超広角で撮りたい何かがあるわけでもなく、単純にどんなものなのかな?という興味です。

fpを購入してからは頻繁にコシナのサイトを覗く機会が多くあったので、VMマウントに超広角レンズが複数あることは認識していました。

それにしてもVMマウントの選択肢は21mmまで含めると非常に多い。

HELIAR-HYPER WIDE 10mm F5
SUPER WIDE-HELIAR 15mm f4.5
NOKTON 21mm f1.4
ULTORON 21mm f1.8
COROR-SKOPAR Vintage Line 21mm f3.5
COROR-SKOPAR 21mm f4

50mmの豊富さもさることながら、広角もこんなに種類あって売れるのか?と余計なお世話的な心配をするくらい豊富。

ZMマウントまで含めればさらに15mmと21mmの二本が追加される。

でもそれ以外の選択肢は、他社のMマウントではなさそうです。

今回は超広角ってどんなもの?というお試し的なものなので、できればあまりお金はかけたくありません(かけられません)。

中古でも購入できるとしたらCOLOR SKOPAR 21mmくらいかな?と考えていましたが、当初想定よりちょっと長い。
KP用のレンズにHD DA 15mm F4は所有しているので、20mm周辺は比較的それと被ってくる焦点距離。

せっかく広角を選ぶなら、自分にとって未体験な焦点距離のレンズがいいなぁと思います。

そこで注目したのが、SUPER WIDE-HELIAR 15mmの旧モデル。
1999年の発売から現在までに2回モデルチェンジされているとのことで、旧モデルであれば価格的に視野に入りそうです。

現行のSUPER WIDE-HELIAR 15mm IIIは、NOKTON Classic 35mm f1.4 II同様、 デジタル化を踏まえた構造になっているとのことで、こちらを選べば間違いはないのでしょうが、高い(10万円以上)&重い(247g)。

SUPER WIDE-HELIAR 15mmはI型で105g、II型で156g。なんだこれ、すごい軽い!中古市場での価格も許容範囲!

I型、II型での違いは、LマウントからMマウントになり、距離計連動カムが付いた以外、光学的な部分には変更がないようです。
そうなると、少し新しいとはいえ、あえて少し重いII型を選ぶ必要はなさそうです。

そして、こちらのブログでは、α7IIIとの組み合わせによる検証が報告されており、α7IIで発生していた周辺のマゼンタ被りが、裏面照射型センサーのα7IIIでは表れていません。

これはfpで試す価値がありそうです!

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ということで、買っちゃいました。さて、どうなるか...

あれ?なんか青くない...?

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わかりやすくするため、家の中で一番白い面を選んで写してみました。

fpのモニターを見ていた時は、周辺減光すごいなーと思っていたのですが、PCに取り込んだところ、おや?となりました。

これが噂のマゼンタ被り?と思ったのですが、いやいや、全然赤くない。どう見ても青いよ。ということで、どうやらfpではマゼンタ被りではなく、シアン被りが発生するようです。

これがレンズ特有の事象なのか、他の超広角でも発生するのかは不明ですが、とにかくSUPER WIDE-HELIAR 15mm I型では四隅とその周辺に盛大な色被りが発生することがわかりました。残念。
光学系が同じというII型も一緒かもしれませんね。

これも味だと思うこともできるかもしれませんが、さすがに周辺の色味が変わりすぎているので、現像でどうにかなるか試してみます。

現像でなんとかなりそう(な気がする)

問題になっているところが周辺だけなので、LigithRoomの円形フィルターで、周辺のみ色温度を高めに振ってみました。

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四隅からその周辺にかけてまだシアンが残っているのですが、これ以上色温度を高くすると四隅付近の青味が残りつつ、周辺が黄色くなりすぎて破綻してしまいます。

そこで、もう一つ円形フィルターを追加し、四隅にのみ強めにフィルター効果がかかるようにしてみました。

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かなり改善してきました。このくらいに留めても問題ないかもしれませんが、まだ周辺に青味が残っています。もう少し周辺の色温度を高めてます。

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良い感じになってきました。まだ周辺に青味があるようにも思いますが、個人的な許容範囲に収まったと思っています。

上の写真はカラーモードをスタンダードとしていますが、ティール&オレンジの場合、シアン被りはより顕著になるようです。

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こちらはフィルタを適用しない状態で、カラーモードをティール&オレンジにしただけです。

シアン系の色味を強調するという特性が、モロ周辺に影響を与えているようです。

これも、先ほどのフィルタである程度抑制はできるようなので、良しとします。

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▲2つ目と同じフィルタを適用

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▲3つ目と同じフィルタを適用

3つ目はちょっと赤味が強すぎるかもしれません。カラーモードや写真によってはフィルタの適用具合の微調整が必要そうなので、今回作成した3つのフィルタを弱・中・強として、プリセットとして保存しておくことにしました。

青空だとあまり違和感がなさそう

被写体が白い場合、シアン被りの影響が大きいことはわかりました。
では青空の場合はどうでしょうか?

超広角レンズのお試しと、桜の咲き具合の確認を兼ねて、上野公園へお出かけしました。

場所にもよりますが、ソメイヨシノはまだ2分咲き程度。唯一満開状態だった枝垂桜で試してみます。

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青空はやはり違和感がありませんね。ただ、周辺にかかっている桜の花はシアンに染まっています。特に右側上下が顕著ですね。(ちなみにカラーモードはT&Oです。)

ではフィルタ(強)を適用してみます。

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青空部分の色味は少し濃くなっていますが、花びらの薄いピンクはより正しく再現されたように思います。いい感じです。

青空の場合は、おそらくマゼンタ被りよりも加工しやすいと思うので、まだマシ?と捉えられなくもないですね。

ちなみに表紙にしている写真にフィルタ(強)をかけたものがこちら。

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フィルタをかけたと言われなければそうと分からないかな、と思います。

結論:使えそう(現像前提)

前回の記事のように、オールドレンズ遊びに最適かという意味で言うと、今後自分が積極的に超広角を使いたい!と思うようになるかどうか、によるのかもしれません。

もともと超広角レンズじゃないと!みたいな意気込みで手に入れたものではないので、値段と軽さのトレードオフとして現像の手間があると考えれば、十分許容範囲だなと思います。

でもfpでちゃんとしたMFの超広角レンズが欲しいなら、SUPER WIDE-HELIAR 15mm III型を買うなり、そもそもα7IIIを選ぶなりした方が幸せになれるんだと思います。

でもそこまでいったら、そもそも選ぶべきはMFレンズ、オールドレンズじゃないのかもしれない。

よろしければ次回もご覧ください。では~

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