「すずめの戸締まり」※ネタバレあり
この前は、ネタバレなしでの感想を書きましたが、ネタバレありで、もう少し掘り下げて書いてみようと思いますー!
と言っても、思い返した事を、ポツポツ書いていきます。
以下、ネタバレを含みます。
見終わってからの感想としては、とっても面白かった!
地震とエンタメを結びつけるんけだから、それを面白いと言うのは、少々、はばかられる節もあった。
それなのに、辛く悲しいだけの感情だけじゃなくて、すごく清々しくて、とても見て良かったと思えた。
確かに、根底にあるのは、地震を止めようとするテーマがあり、すずめ自身が地震の被害者。
ずっと、亡くなったお母さんのことが、ひっかかってる。
そんな中でのロードムービー。芹沢さんの存在が、すごくすごく場を和ませてくれる。
いいキャラしてるなー。
訳ありの叔母と娘を乗せてあげて、重苦しい雰囲気の中でもマイペースに、おススメの歌謡曲をかける。
なかなか出来ることではない。芹沢さんまでも、あの重たい空気に飲み込まれてたら、見ているこちらも、ズッシリどんよりしていただろう。
やっぱり、空気読めてるような読めてないような、ああいう人がいるだけで、救われるんだなってすごく思った。
ストーリーは、全体的にド派手でハラハラだった。
要石を刺す直前の、そこの土地にいた人たちの思いに寄り添うシーンが、やはり、ぐっときて。。。
特に最後の、東北でのシーン。
色んな人の「いってきます」の言葉。とても印象に残る言葉。何気ない言葉だけど。
後で、すずめの戸締まりの小説をパラパラと読んだ。
ラストのシーンの文章を読んだときに、改めてこの映画のテーマを知ることとなる。
『あの日、皆んなが、言えなかった言葉を、私は、これから言うのだと思った』
『おかえり』
あの日、という言葉には、強調の黒点がついていた。
あの日、つまり、東日本大地震の時。
「いってきます」と言って、そのまま帰ることが出来なかった沢山の人たち。。
そういう人たちへ、思いを寄せているとともに、「いってきます」「いってらっしゃい」「ただいま」「おかえり」という何気ないやり取りを出来ることが、どんなに尊く、有難いことかと実感することができた。
こんな思いの投影があったなんて、最後のワンシーンからは、想像出来なかったので、、改めて文字として読むと、疑問点も補完出来るのかなと思ったり。
あの日の事を、押し付けがましくするでもなく、寄り添いたいという温かい気持ちが、とても伝わってきた。
普通で、当たり前の日常は、いつも突然、崩れるから、今を当たり前と思わずに、大切にしたいと思える映画だった。
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