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戦前の山科郵便局の古写真-3

生前の祖父の写真帖からの記事その3です。
前回、山科郵便局で戦地に赴く局員さんの集合写真を紹介しましたが、局舎で撮られた以外に神社で撮られた写真が数点ありました。奥の建物には注連縄と紙垂(しで)が見えることからお寺ではなく神社だと考えられます。

昭和14年(1939年)5月27日に撮られた写真

応召される二人の局員さんの名前と撮られた日付は写真帖に記載されていましたが場所が分かりません。(お名前は画像処理で隠しています)
 写真が撮られた頃には山科郵便局は国鉄山科駅前にあった頃なので、局舎からそう遠くない神社で撮られたものと考えられます。
そこで当時の局舎からほど近い神社を探してみます。

現在の山科駅付近地図

地図中のラクト山科ショッピングセンターが当時の山科郵便局のあったところです。局舎から近い神社としては北東方向、地図の右上方向に諸羽神社(もろはじんじゃ)が見つかります。

諸羽神社参道から境内を見たところ
本殿前の拝殿

早速、現地に行ってみることにします。十津川警部なら「亀さん、早速われわれも現地に行ってみようじゃないか」という感じです。諸羽神社は山科駅からほんとに近くにありました。
早速境内を探索してみましょう。
参道から境内にはいると本殿と拝殿の間には屋根のある回廊がありどことなく古写真とは雰囲気が違います。ここではないのかな、と思いつつも拝殿の中から本殿に近づいてみました。

拝殿から本殿を見たところ

古写真の真ん中にある本殿の前の門の屋根は現地では回廊で見えないのですが、左右の六角石灯籠と灯籠背後の左右の塀に注目してみます。

灯籠の上部が細長い宝珠、傘、六角の火袋の正面の大きな窓と側面の小窓の特徴が古写真と一致します。背後に廻ると明治44年に石灯籠が建立されたことが記されてます。昭和14年には石灯籠がここに存在していることになります。また塀の窓の格子や屋根の形状や灯籠と塀の位置関係も一致します。
拝殿と屋根のある回廊は後年に建てられたものと考えられます。

この写真は諸羽神社で撮られたものと考えられます。
探索一軒目にしていきなり正解にたどりつきました。
中原中也の集合写真の時みたいに6〜7年越しの探索にならなくてよかった。


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