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大学入学共通テスト、「情報」はどうする?

2022年度より、高校で「情報I」が必須化された。これに対応して、2025年度の大学入学共通テストも現行の6教科30科目に新たに「情報」が加わり、7教科21科目に再編されることになっている。配点率は全体の10%に及び、無視できる教科ではない。

大変なのは、現在の高校2年生だ。情報Iは1年生の時に履修し終わっており、2年生では履修しない。3年生になって受験対策として、「情報探求」といったコマを設けたり、課外授業なども予定されてるが、まる1年何もしなかったのは大きい。

一方で国公立大学側では、新たに情報サイエンス系の学科を新設するところが増えている。当然だがそれらの学科では、共通テストの「情報」の点数を重視する。

情報と言えば理系の科目のように見えるかもしれないが、実際には国語や英語と同じ「必修」なので、文系も理系も同じように学習する。情報サイエンス系の学科を持つ大学も、理系・文系どちらもあるが、傾向としては文理融合型が増える傾向にある。どちらの知識もバランスよく持っていないと、対応できないということだろう。

だが高校では文理融合に対応しているところは少なく、2年生になる段階で理系か文系か、どちらかを選択しなければならない。情報系に進みたい子は、どちらに進めば良いのか悩ましいところだ。

■次第にハードルが上がる「情報」

大学入学共通テスト、小寺の頃は共通一次試験と読んでいたアレだが、2022年度実績で受験者は約48.8万人。共通テストの成績を受験に利用する大学・専門職大学・短期大学の数は、864校にも上る。

昔は共通一次は国公立大学のためのものだったが、現在の共通テストは私立大も活用しており、その数は533校にも上る。公立私立関係なく、ほとんどの大学の一般入試は、共通テストを避けて通れない。

国公立大で情報サイエンス系の学科が増えていると述べたが、情報を大学個別試験に課す大学は意外に少なく、現在わかっている範囲では、高知大学と広島市立大のみである。それ以外は共通テストの「情報」の得点しか見ないわけで、個別試験で挽回というわけにはいかない。

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