愛のことば/スピッツ


早くも初投稿から二日あけてしまいました。毎日投稿の予定だったんだけど…


今日はスピッツ「愛のことば」について。



この曲、最初聴いた時本当に衝撃でした。イントロが。愛のことばを初めて聴いた時は全然スピッツに興味持ったことなんてなかった時でした。ちょっと知ってるけど、まあハマるほどじゃないな、みたいな時です。


たしか、前回書いた冷たい頬の流れでたまたま出会った感じでしたね。冷たい頬より衝撃だったかも。イントロからもうぐっと惹きつけられました。


おそらく、この愛のことばを聞いた瞬間に完全にファンになった気がします。それぐらい衝撃でした。曲の始まりにドラム「ターン」って叩いてからイントロが流れるじゃないですか。あの入りが、ほんとにほんとに、よかった。あそこで8割決めてると思います。本当に良い。


後から知ったことですが、この曲はスピッツの隠れ名曲という名目で必ずランクインするような感じの曲だそうです。たしかにいい具合に隠れていて、ちょっとスピッツかじった人が初めにたどり着く、スピッツ沼入り口曲っぽさは否めないですね。



このスピッツの愛のことばは1995年9月に発売されたアルバム「ハチミツ」の中の収録曲です。95年!私が生まれる四年前の曲です。




余談ですが、90年代、まじでいい曲ばっかりですよね。私はその頃の曲を聴きあさりすぎて、よく「古いよ」「昭和やん」などと揶揄されます。90年代はぎり平成なんですけどね笑。

でもやっぱりこの頃がJ-POPの最盛期だったんじゃないかなぁって若いながらに思います。もちろん今のJ-POPも最高だし、邦ロックとか他のジャンル含め才能あふれた良い曲はたくさん溢れているのですが、8,90年代の音楽に込められたパッションにはやはり別格の何かを感じます。CDが売れる、というのがやはり大きかったのでしょうか。

まあちょっとこの話は長くなりますので、私の80、90年代音楽への愛についてはまた別記事で書きたいと思います。





それで話は戻って愛のことばについて。

愛のことばって、スピッツの中でシングルカットされてないのにPVがある唯一の曲なんですよね。Wikiによると「シングル曲の候補とされていたが、スピッツらしくないという理由で除外されている」と書かれていました。

言われてみればたしかにスピッツらしくはないかもしれないです。では逆にスピッツらしさってなんなのさ、ということになりますが…。

でもたしかに、スピッツにしては「まとも」というか、スピッツ特有の不思議なワールド感が若干薄い気がしないでもないです。曲構成とかメロディーとかが普通の曲っぽいというか。まあ普通なんて概念はこの世に存在しないので、俗っぽくいえばそんな印象、ということです。

ですがそれは‘‘一見‘‘そういう風に聴こえるだけで、じっくり聴けば絶対にスピッツにしか書けない曲だと私は思います。

なぜなら、割と明るく聴きやすいメロディーかと思えば、ちゃんと「死と生」の薄暗さをまとってしまっています。(草野さんは曲を書く時「死とセックス」を主にテーマにしているという話は割と有名な話ですが、まさにそれです)




次、歌詞です。この曲も初めの一節から私たちの心を鷲掴みに来ています。



「限りある未来を 搾り取る日々から
抜け出そうと誘った 君の目に 映る海」



はあ~~~~~~~~。これほど完璧な導入がありますか。


まず、私たちのこの退廃的な毎日の繰り返しを「限りある未来を搾り取る日々」という表現にしてしまうこと。まさにそう。私たちは大体80年という超短い歳月を‘‘搾り取る‘‘ようにして消化していってる。「今を大切に生きる!一日一日を大切に」とか毎日考えながら明るく元気に、着実に明日に踏み込んでいくような日々の送り方ではなく、大体の人はすぐには叶えられない多くの理想を持ちながら、コツコツコツコツ、つまらないことや嫌なことの方が多い日々を、時に泣きそうになりながらも地道に生きてます。まさに寿命を‘‘搾り取って‘‘るんです。


そんな日々から抜け出そうと誘う「君」という存在。こんなに甘美で美しく悲しい誘い、ありますか。男女でいったら、プロポーズ級です。この曲は恋愛ソングではありませんが…。でもこれは間違いなく、究極の「愛」だと私は思いましたね。



そうそう、この曲はただいま書いたように恋愛ソングではないのです。

PVの映像とか、他の歌詞をみてみると、おそらく戦争をテーマにされてることが伺えます。


「優しい空の色 いつも通り彼らの

青い血に染まった なんとなく薄い空

焦げ臭い街の光が ペットボトルで砕け散る

違う命が揺れている」



これは二番の歌詞なのですが、青い血、薄い空、焦げ臭い街の光、命の揺れ、戦争を彷彿とされるワードで固められています。愛のことばのyoutubeのコメント欄に冷戦時代に存在した人体実験施設の話を示唆されているように感じる、というようなものがあったのですが、それに近いものを訴えているように私も感じました。


「戦争」とか「人体実験」とか、そういうものをピンポイントに歌っているわけではなく、争いとか不条理でやりきれない出来事は誰の人生にもあるものだと思うので、そういうことも含めているのかなとも感じられます。


さわやかな曲調にここまでのことをのせる草野マサムネ、ほんとうに恐ろしい。凄すぎます。



そして冒頭の自分に対する「君」の誘い、そのあとの


「くだらない話で 安らげる僕らは

その愚かさこそが 何よりも 宝もの」


という歌詞から、退廃的な日常・自己の中で大切なものは何か、草野さんの中の一つの真理が描かれているのだと私は思います。この歌詞のような愚かさは本当に大切だなってわたしも思います。愚かじゃないとこんな世界では生きてられませんから。こんな風に一緒に愚かになれる人をみつけることが人生における最重要事項なのかもしれないなとふと思いました。



この曲、ほんとに良すぎて何十回聴いたか分かりませんが、わざわざ2014年にシングルカット「愛のことばー2014mix」として配信されたのには納得しかないです。ここまで書いてみて改めてそう思いました。





それでは今日はこのへんで。愛のことばについては正直もっと書けそうですが、少し疲れてしまいました笑 明日も書くぞー。












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