「ラ・ボエーム」と言うオペラ
昔、オペラ合唱団に所属していた。
合唱団といっても、数人の音大出はいるがほぼアマチュアのオペラ好きばかりである。
2年に一度くらいのスパンで、
プロのソリストのキャスティングとプロオケを招いて大きな公演をやっていた。
市民芸術祭参加、ということで市からお金もらっていたのだろう。
その演目の一つが「ラ・ボエーム」だった。
「カルメン」、「こうもり」、「フィガロの結婚」、有名な多くのオペラがある。
しかし「どのオペラが一番好き?」と問われれば、
迷わず「ラ・ボエームです」と答えるだろう。
話は至ってシンプルなものだ。
恋に落ちた売れない芸術家の卵とお針子。
貧しさが原因で別れたが、病を得たお針子は元カレの元に戻り、息を引き取る。
公演練習の時に演出家助手が「この話はメロドラマです」との説明が印象に残っている。
そう、神様が出るわけでも奇跡も起こらない、等身大の人間の恋愛劇なのだ。
参加した公演のビデオテープ(遺跡)をPCで見られるようにコピーしていた。
パッケージ見て驚愕。
2003年!?
引っ越しした。
名字が変わった。
合唱リタイヤしてフルートに転向。
そのフルートもプーランクまで吹けるようになり一旦休んだ。
まだ数年前のような気がしていたけど、
そんなに時間がたっていたのか……。
まさに光陰矢の如し。
この公演に参加した少し後、ブロードウェイで「ラ・ボエーム」が上演されるとのニュースを聞いた。
「ムーラン・ルージュ」の監督バズ・ラーマン演出!
テレビで見たこともあって、リアルに舞台を見たくなり、合唱団の友人に声をかけたところ、二つ返事で「OK」と!
ブロードウェイミュージカルの体はしていたけど、
オペラと内容はなんら変わりませんでした。
弾けるような軽快なテンポ(2幕まで)と繰り返すプッチーニ節。
ミミは中国系の女の子がかわいらしく演じていました(珍しい!)。
ロドルフォ役はデビッド・ミラー……、のちのIL DIVOのメンバーです。
タイミングや経済状態、気持ちやもろもろのすべての状況に追い風が吹き、
ブロードウェイへの観劇が実現した思い出深い演目。
今や、全国各地や外国まで舞台を見に行くのも珍しいことではないことです。
好きなものを好きなように追いかけられるのは幸せなこと。
早いとこコロナも収束して、自由に活動できるようになってほしいものです。
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