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2021.5.22 淀川パックラフト

淀川を川下りした日。

パックラフト5艇ほど+オルカヤック1艇と、超軽量ツーリングのため電車で出発地点へ。

この頃はまだまだカヤックを始めたてだったので連れられるがまま目的地へと着いたが、大阪と淀川の県境、淀川の支流だったと思う。

いつも馴染みがあるビルに囲まれた淀川の景色ではなく、周りは木々に囲まれ自然豊かだ。水質は良いとは言えないが、最近では淀川でもうなぎが捕れるというから少しは良くなってきているらしい。

慣れないパックラフトを膨らませ出発。

パックラフトは直進性が悪く、漕いでも漕いでもなかなか進まない。
また、右のブレードで水をかくと船首が左へ向き、左のブレードで水をかくと右へ向く。右往左往して更に進まないのだ。

それはパックラフトという乗り物が、軽いがゆえに自重が少なく動きやすいこと、船底が平らであるがために水の抵抗を受けずくるくると回りやすいこという船の特徴に由来する。

ある程度経験を積んだ今ならもう少しうまく漕げると思うが、その時はなんて漕ぎにくい船なんだとしか思わなかった。

しかしそんなパックラフトでも、川には流れがあるため勝手に流れて行ってくれる。それが川下りの良いところでもあるのだ。無論、自重がないため強風であれば風に流されてしまうのだが。

淀川にも魚は生息しているため、その魚を狙って水に潜る鵜が沢山いた。
都会を流れる川の自然豊かな側面を知っている人間はどれくらい居るのだろうか。

2時間ほど漕ぎ進めると、大阪市内のビル群が見えてきた。
移ろいゆく景色を見て楽しむのも淀川ツーリングの醍醐味のひとつ。


ゴール地点の左岸に船を着け、流されないように岸に上げる。民家はすぐ底にあり、歩ける範囲にご飯屋さんがあるため皆で昼食を食べに行った。

昔ながらの食事処で、高齢のご夫婦がランチを出してくれた。ほっこりした時間が流れる。こんなふうな毎日を過ごせたら最高なのになあ、、、と考えるほど、川でのツーリングは中毒性がある。

お腹もいっぱいになり、外は小雨が降り出していたためカヤックを撤収しに岸へ戻ることに。
来た道を引き返していると、甲高い子猫の鳴き声が近くから聞こえることに気付いた。

不安感から絶え間なく泣き続けるその子猫はすぐに見つかった。
少しのフードを残してダンボールに入れられ、不安な目で私を見つめてきた。
上側が開放されたダンボールに入れられても逃げ出さないのは、初めての外の世界が怖いからなのだろう。


体はノミなども付いておらず毛並みも綺麗で、栄養状態も良さそうだった。
もしかすると私達が陸に上がって、この道を通り過ぎた後に捨てられたのかもしれない。
きちんと世話をしてもらっていたことが窺えたが、他に産まれた兄弟たちはどこへ行ったのだろうか?

この運命的な出会いをした子猫は、この5月に2歳を迎えた。


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