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不器用な一歩
⌜ありがとうございました⌟
そう頭を下げてお礼を言い大きなバックを持ってエレベーターで1階におりた。
とうとうこの日が来た
大きな不安を抱えながら時折、窓の外に目をやり出口までの通路は幾日とも思えた。
そして出口まで辿り着いた私は不器用な一歩を歩き始めた
取り敢えずバス停のベンチに座り込んだ。
ずっと病院に入院していた私は久し振りの外の空気だった。
退院したものの帰る家もなく行くあても何もなかった
これからどうしよう…
ただベンチに座って遠くをボーっと見るしかなかった
その間、何度かバスを見送った
季節はもう秋から冬になり冷たい風が身に染みた
そして身も心も凍りつきそうになった私は止まったバスに乗りこんだ。
バスの中は暖かかった…。
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