続・レコーディング2days

またレコーディングしてきた。

前回のレコーディング

今色々と手伝っている某アイドルグループのボーカル録音。シングルが出る。本当は3人分をまとめて録る予定だったのだけど、1人が前日から熱を出し、このご時世なのでこちらの判断で休養を取ってもらうコトにした。仮に陽性だった場合ブースの中で全員食らったらアウト。

今回は両A面シングルなのだけど、片方の曲が結構な大御所が作っている上にファンの間では長く知れ渡っている曲のため、もう1曲を担当した僕はどうしても比較対象にされてしまう。ネームバリューに負けっぱなしも嫌なので、今回は結構入念に準備した。事前に歌唱イメージを伝える資料を個別に作り、ガイドメロディも再度送った。「準備8割、実働2割」とは前会社の先輩の弁。その通りだと思う。とにかく現場でストレスなく動いてもらうコトがパフォーマンス向上に繋がると思ったので、できる限りの準備はした。

今回も音楽友達の友人Gくんの自宅スタジオにて収録。初回はAさんBさん、日を置いてCさん。前回同様、これはただの備忘録。

一日目

12時に駅でAさんBさんと合流し、Gくん宅へ。すでにBさんのテンションが低い。曰く「陽の光が苦手なのでテンションが低い」らしい。あと単純にレコーディングに苦手意識があるらしい。今回のプランとして、このBさんの攻撃力のあるボーカルを先にレコーディングして起爆剤にと考えていたので、どうにかテンションを上げてもらわなきゃならない。

Gくん宅に到着してからは、まずはテンションアップとリラックスのために30分くらいなんてこのない雑談をした。ボーカルは体が楽器なのでこういうメンタル的なものを含めて調整しないとうまくいかないと思っている。

13時頃からBさんのレコーディング開始。何度か通しで歌って慣らし運転してもらってから、変則的に一番盛り上がる最後のサビから録っていった。一番エネルギー使うところなので、一番元気な時に録っておきたかった。最初こそ力んでいたけど、だんだんと喉が温まってきたせいか、はたまたこちらの持ち上げ方が良かったのか、かなり良いテイクを連発。目論見通りにいった。2時間半ほどで終了。

休憩挟んでAさん録音。こちらも通しで歌って慣れてもらってから、サビから録音を開始。リズム感はさておき、最近この子は非常に感情の込め方、あるいは「そういう歌い方」ができるようになってきたように思う。ざっくり言えば「表現力が上がった」というコト。とはいえ、単純な歌唱力とは話が別なので、その良い部分をうまく引き出せるようにディレクションした。こちらも2時間半ほどで終了。

Bさんが「赤羽行ってみたい」というので一同で赤羽へ行き、レコーディング1日目の打ち上げをした。店員さんが可愛かった。あとから合流した友達と、アイドル2人、おっさん3人という謎の組み合わせの飲み会だった。傍からどう思われていたんだろうか。

二日目

体調の戻ったCさんとGくん宅へ。Aさんも後ほど合流。前回時間切れでレコーディングできなかったハモりを録る。

一番歌唱力のあるCさんだったが、メロディをかなり間違えて覚えている。事前資料にもその旨を記載したのだけど、間違って覚えたメロディを修正するのはわりと大変だった。最終的にはやや科学の力に頼った。歌唱テクニックがあるというコトは、良くも悪くも無難と言い換えるコトができる。そういう枠をちょっと外してもらいたくて、やや無茶な注文をつけながら進めた。考えながら歌うコトに慣れているのでアジャストは早かった。2時間弱で終了。次の予定があるためCさんを先に帰らせる。

入れ替わりで来たAさんと交代で、ハモリのレコーディング開始。なんかテンションが低い。聞くと前日に仕事関係の男から迷惑LINEが来たらしく、萎えている。ひとしきり愚痴ったらスッキリしたらしく、その後のレコーディングはスムースに終了した。やっぱりメンタルは大事。

こうして、延べ2日間のレコーディングが終了した。想像以上に良いものになったという自負はある。有名な作家さんとの両A面シングル、どういうい評価が下されるかが楽しみでもあり、怖くもある。

3人に共通したディレクションは「ライブでの歌い方をするな」だった。アップテンポでエネルギーを使う歌なので、セットリストでもライブ後半に持ってくるコトが多い。終盤で体力が落ちている時なのでどうしても絞り出すように歌うクセがあり、そのせいで必要以上に激しくなっているのだ。Bメロ→サビは緩急をつけてほしい部分なのだけど、ライブ映像みているとそれどころではないくらいBメロで声を絞り出している。こういう所を修正していった。

ライブで歌いながら固めていくと「ライブの歌い方が正」になってしまう。そこの認識を修正していく作業が今回の最大のポイントだったと思っている。今後はレコーディングした時の感覚を正として、ライブでの再現性を目指してほしい。

二日目が終わったので、Gくんと2人で飲みに行った。いつもはもうちょっとワイワイ飲むんだけど、Gくんの体調とレコーディングの疲労でずっとテンションが低いまま飲んでいた。レモンサワーが沁みた。

次はプロモーションだ。


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