見出し画像

【アート】実写とアニメ

一口にアニメと言ってもいろんなジャンルや種類がある。

ジブリ、ディズニー、アメコミ、アート系、日本のマンガ系、ゲームやラノベ系、子供向けから大人向けまでさまざまなうえ、絵を見せるものやストーリーを楽しむものなど、価値観もバラバラ。

実写とアニメと言えば、例えばカレル・ゼマンのような、チェコアニメやアートアニメの先駆者が挙げられるが、まだまだ見逃されている名作は多い。

【Pick Up】

ブルーノ・ボツェット『ネオ・ファンタジア』Bruno Bozzetto "Alegro Non Troppo"(1976/イタリア)

イタリアのアニメーター/カートゥーニスト、ブルーノ・ボツェット(英語版Wikipedia)が1970年代に制作した長編作品。

ディズニー映画『ファンタジア』(1940/アメリカ)の構想をもとに実写パートとアニメパートで作られており、アニメパートは幾つかのクラシック音楽に合わせた映像になっている。

実際本人がディズニー映画にも影響を受け、リスペクトの意味もありつつ、『ファンタジア』にはない実写部分のこだわりと、映画としてのストーリー性、ユーモア、音楽とアニメーションによる芸術性を兼ねた、映像作品としての最高峰の一つであり、公開当初よりものちに評価された歴史的映画。

当時ディズニーやテレビアニメ、コマーシャル、子供向け番組などアニメ自体はあった一方、1940年代辺りから始まったチェコスロバキアの文化である人形劇やぬいぐるみを使った原始的な、いわばパラパラ漫画のようなアニメーションがどんどん進化していき、またCGの代わりに実写映画の中にアニメ技術を盛り込む手法など、芸術性に重きを置いた作品が作られ、特にルネ・ラルー監督作品『ファンタスティック・プラネット』(1973/フランス、他)やユーリ・ノルシュテインによる短編『霧につつまれたハリネズミ』(1975/ロシア)など後世に語り継がれるアニメーションが生まれた時代でもある。

そんな時代背景とともに、アートアニメとは異なる作風において、モノクロ映画の世界と近代的な美しさがある傑作に仕上がっている。

【Related Recommends】

気になった方へのおすすめは・・

・ブルーノ・ボツェット『ミスター・ロッシ』(1960-1978/イタリア)
子供から大人まで愛され、イタリアのスヌーピーとも称された、人気キャラクター・シリーズ。短編。アニメーション。

・ルネ・ラルー『時の支配者』(1982/フランス)
メビウス作画の長編作品。メビウスはジャン・ジロー名義でハリウッド映画も手がける。時空を超えた全編アニメーション。

・ヤン・シュヴァンクマイエル『アリス』(1988/チェコスロバキア)
実写とアニメが混在し、アンダーグラウンドな世界観とルイス・キャロル『不思議の国のアリス』の可愛らしさが入り混じる奇妙なファンタジー。

・イジー・トルンカ『善良な兵士シュヴェイク』(1954/チェコスロバキア)
1945年の終戦以降1968年プラハの春までの間に、東欧アニメの基盤を作ったと言っても過言ではない代表作の一つ。シリーズ作品。パペットアニメ。

【Comment】

*最後までお読み頂きありがとうございます。好きなものや興味を持ったことを綴っています。マガジン化未定。応援よろしくお願いします。延方乃海
*段落を「見出し」に変更しました。(2022年11月)
*ジャンルを【映画】から【アート】に変更しました。(2022年11月)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?