見出し画像

【コント】トーキョーコントヒストリー

最近コントを愛する芸人さんが、ライブで飯を食いたいと言っていたり、キングオブコントで印象に残った男性ブランコのボトルメールというネタがとても面白くて、都会派コントに活気が戻ってきた気がして嬉しい。

若手で人気のあるダウ90000って何者?と思ったら日芸のサークルから出てきた人たちらしく、日大芸術学部といえば爆笑問題がテレビに出だしたときに、知性や感性を有したちょっと他の馬鹿っぽさとは一線を画す感じで日芸出身と紹介されてたのを憶えている。
まあ紙一重なのだろうけど。

お笑い文化のない東京。
そのとき街に人が集まった。
人が集まると文化が生まれた。
刺激的なヒトやモノや体験を求めて高円寺や下北沢などが賑わった。

昔ラジカル・ガジベリ・ビンバシステムという演劇集団がいて、RGSは宮沢章夫(遊園地再生事業団)、大竹まこと・きたろう・斉木しげる(シティボーイズ)、いとうせいこう(ミュージシャン)、竹中直人(俳優)、前期・後期ビシバシステムのメンバーらによる演劇集団として、サブカルチャー全盛の80年代後半に活動していた。

90年代に入るとKERAのナイロン100°Cや松尾スズキの大人計画、ジョビジョバのようなコント集団も生まれていき、メインストリームに対するアンダーグラウンド=サブカルというところで、音楽、芸術、演劇、お笑い、格闘技、漫画、いろんな要素が舞台という場で混ざり合った。
ジョビジョバが元は大学のコントサークルだったのはもしかしたら今の劇団かもめんたるあたりと対を成すかもしれない。

一方でバカルディやラーメンズなど芸人さんの作るコントが「作品」としてクオリティの高いものになっていった印象があり、なんとなく、未だにラーメンズやさまぁ〜ずについてはこのコントが好きというより何作目が好きという人が多い気がしている。
そういえばシソンヌのライブで別のコントの登場人物が出てくる演出があったとき、勝手に近いものを感じて、ワクワクした。
さまぁ〜ずライブはひとつずつバラバラのコントでありながら実は最後に繋がってたりするところが好き。
東京03も意外と劇団的要素があって、パンチライン的なボケツッコミワードよりも、いたらめんどくさい奴が面白い。

それは日常の一コマであり、くだらない、バカバカしい滑稽さも東京っぽくてなんかいい。
キングオブコントだとニューヨークのヤクザのも面白かった。今賞レースで活躍する人は背景が違うのだろうけど、できれば暗めの劇場で客席からちょっと引きで観る方が似合いそうな雰囲気だと思った。
関西のコント師だと実際にはあり得ないキャラクターが出てくるけど、関東のコント師は、こういう奴いるわーと思ってしまう。
自分は会ったことないけど、絶対いそう。
誰かの日常を代わりに演じて見せてくれている、設定というよりワンシーンなのかな。

今はオンライン上のプラットフォームに人が集まって、魅力的な人がいるところには人が群がり、カリスマが生まれないプラットフォームはいつしか消えていく。
都市からカルチャーが盛り上がることはもうないかもしれない。

昨年惜しくも亡くなられた宮沢章夫氏の作品は、改めてもう一度観たいと思うし、あとベタすぎるけど、ラジカルガジベリビンバシステムってすんなり言いたくて、頑張って覚えたなあ、なんてことを思い出した。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?