第七章 愛梨⑤
今日は、お休みだ。
だからといって、一哉もお休みというわけではないので連絡するわけにもいかない。
昼過ぎに、ようやく眼を覚ます。
完全に日差しをシャットダウンしてくれる遮光カーテンのお陰で、室内に太陽の光は入ってこない。
間接照明の明かりだけが、フワンと室内を優しく包み込んでいる。
久しぶりにゆっくり眠れた気がする。
今日は、酒を抜かなくてはいけない日。
健康診断だなんて、面倒くさいなあ。
何で、キャバクラで健康診断なんてやらなくちゃならないわけ?
次の日。
前日におとなしくしていたあたしも含め、ブリリアントの皆で病院へ。
若い女の子達で、病院は一気に華やかになった。
一通りの検査を受けて、一日がかりだ。
だる過ぎる。
けれども、肝臓がやられていないかをチェックする事は、重要な事なのかもしれない。
次の日は、お仕事デイだ。
その前に、キャバクラ雑誌の撮影がある。
HEARTYとは、また別の雑誌だ。
キャバクラの専門誌。
いつもよりも早く、家を出る。
日向梨紗の特集を組んでくれるという事で、それはそれで嬉しい事なのだ。
店からお金ももらえるし。
その後は、相原さんと同伴だ。
「梨紗、車欲しくない?」
「へ、車?」
相原さんは、車の輸入ディーラーの仕事をしている。
「ポルシェ、いらない?」
「え?いる。って、え?あのポルシェ?くれるの?」
「梨紗に買ってあげたいいいのがあるんだ。欲しい?」
「欲しい!」
「じゃ、次の日曜逢える?そのまま乗って帰れるように手続きしておくから」
「本当に?!嬉し過ぎるっ!ありがとう、相原さん!」
こうして、ポルシェがあたしの愛車となるのだった♪
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