第七章 愛梨③
控室にて。
「また梨紗と愛梨、ホスト席着いてたね。浜っち、あたしは絶対着けてくれないんだけど笑」
確かに、麗子がホスト席に着いているところを見た事がない。
「すっごい楽しかったしい!」
「愛梨!あんた、サムサラにまで行かないでよ?涙がいるでしょ、涙が」
「えー?てか、ダイニングバー行こ♪」
今日は、何も食べていないし……。
さすがにお腹も空いている。
急いで着替えて、あたしと愛梨はいつものダイニングバーへと向かった。
「で、一哉はゴチッたの?」
早速の愛梨からの質問。
「何もないよ。あたしはソッコー爆睡したし。んで、一哉が起きる前に家出てきた」
「何じゃそりゃ?!つまんないの!」
なんて話していると、ちょうど一哉から着信だ。
「もしもし」
「何で起こしてくれなかったの?」
「え……だって、まだ夕方だったし。悪いと思って……ごめんね」
「梨紗に車も見せたかったし、他にも色々見せたいものあったのに」
「そうなの?……ごめんね」
「今日も忙しかった?」
「そうだね。ホスト軍団が来た」
「え?どこのホスト?」
「サムサラってところの幹部さん達」
「サムサラ?マジ?梨紗の事、指名したの?」
「ああ、拓巳って人があたしを指名してた」
「拓巳が?マジか……」
「何、もしかして一哉の友達とか?」
「雑誌の撮影とかで逢ったりするけど、まあ、普通に友達かな」
「そうなんだ……」
「分かった。とりあえず、気を付けて帰ってね。また連絡する。お疲れ様」
「うん、じゃあね」
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