「古き良き」ではない、「ヴィンテージ」でもない、大切な何か。

広島に住んでいるので
久々に広島市内を散歩。

原爆ドーム、平和公園を歩く。
被爆建物だったレストハウスが
リニューアルされていた。

建物外観に違和感は感じず。
しかし店内を覗くと
キレイ過ぎて入る気がしない。

なんだろう…
定員さんの制服も
駅構内に新規オープンした
パン屋さんのようだ。

どこでもあるような
ありきたりな居場所。

宮島のフェリー乗り場も
リニューアルしたらしいが
雑誌で見る限りキレイ過ぎる。
わざわざ行く気になれない、
観光業として終わっている。

観光客が激減したのは
COVIDのせいではない。
遅かれ早かれ、飽きられた
はずなのである。

僕の尊敬する水野和敏さん。
元日産自動車エンジニアで
カルロス・ゴーン直轄の
プロジェクトでR35 GT-Rを
短期間で開発した方だ。

書籍「バカになれ!」では
進化しない住宅について
触れられている。

“住宅メーカーの人と話すと
いい家の評価方法が
わからないという。
だから新しい家を作ったら
一週間籠もってみろと
アドバイスした。

長く居たいと思ったか?
早く外に出たいと思ったか?
スペックではなく感性で
決まるものなんだ”


確かにそうだ。
時速300km/hの車内でも
会話ができ、運転席の足元に
摂氏1000度以上の排気が
通っていても熱いと感じさせない。
そんな車を開発してきた
水野さんから言わせれば
いまの住宅設計技術なんて
手つかずの状態らしい。

これからのリニューアルに
求められるのは、最新の
建築資材なんだけど、
とてもそうは思えない、
古めかしくて懐かしい
居心地の良さを再現する
感性と技術だと思う。

新築なのに汚れているとか
ひび割れてるとか、床が斜めで
机が傾くとか。
元々がそうで、客が世代を
繋いで定着していたなら、
欠点も引き続いでいいと
思った次第なのであります。

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