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2019プラハ旅行記~その5・麦酒編~

朝早くホテルを出発し、トラムに乗ってプラハ中央駅へ向かう。まだ人もまばらで街は静かだったけれど、駅に着いたら大勢の人で賑わっていた。
無事先日のリベンジを果たして往復の切符も購入できたので、駅構内のBILLAで朝食を買い出し。日本と違ってペットボトルのカフェラテとかはあまり一般的じゃないので、スーパーに行っても意外と飲み物の選択肢がない。illyの小さいラテを買ったら思ったより甘かった。美味しかったけど。
中身どんなのだったか忘れちゃったけど、サンドイッチ2種もそれぞれ美味しかった。日本のフィルムは一度開けちゃったら持ち運びが難しいけど、こっちはある程度しっかりしたパッケージに入っているので食べきれなくても大丈夫(その後お昼に食べた)。

ということで、世界の車窓から~プラハ-プルゼニュ編~である。
チェコ国鉄のシステムは大まかにしか把握していないのだけれど、とりあえず2等車の切符を買ったなら2⃣と書かれた車両に乗れば間違いない。コンパートメントなら入口、クロスシートなら荷台のところに予約者の氏名が書かれた紙を入れるスペースがあるので、そこに何もなければ自由に座っていい。今回は時間・席ともに指定なしの2等車オープンチケットを買ったので、空きコンパートメントを探して乗車。最大8人掛けで、1人お姉さんが乗ってきたけれどまあほぼ貸し切り状態。うるさくしてごめんねお姉さん。

プラハの街を抜けると、電車はひたすらのどかな平原を走る。天気はちょっといまいちだけど、菜の花畑の黄色は本当にきれい。写真には撮れなかったけれど野ウサギもいた。
乗った電車はRychlíkで、プルゼニュまでは主要駅にしか停車しないはずだったのだが気が付いたら通過するはずの駅にも全部停車するようになっていた。そういえばさっき車掌さんが来てお姉さんにだけ何か言ってた気がする……どうせ外国人だからわからないだろうと判断されたか? まあそれはそれで仕方ない。スマホにチェコ国鉄のアプリを入れていたので乗っている電車を調べてみたが、やはり詳しいことはわからずただただ表示される遅延時間が拡大していくばかりだった。これがチェコクオリティ! 少し早い時間の電車にしておいてよかった……。

最終的に30分の遅延でプルゼニュに到着。めちゃくちゃ曇天、時折小雨模様。予約した地下道博物館のツアーまで旧市街をのんびり見て回ることにしたけど、ゴーストタウンかってレベルで街に全然人の姿がない。でも広場では何か催し物の準備が進んでいるみたいで、写真左下のビール飲むテントだけはいち早く完成していた。さすがと言うべきなのか。

ツアーの時間になったので、ヘルメットを被って地下に潜入。定員20名くらいのツアーのはずが参加者は総勢8名となかなかの精鋭チーム化。何があったのかガイドのお姉さんの声がどえらいカッスカスで本人もいの一番にそれを謝っていたけど、後半は調子が出てきたのかいい感じだった。人数が少ないこともあってたぶん結構深い話をしてくれているのだけど、歩くのもトークもなかなかのスピードだったせいで正直3分の1くらいしかわからんかった。以前も一度参加しているのにこのていたらくである。

でもこういうわかりやすい英語もあるから大丈夫! 文字情報とお姉さんの話の断片から地下道の謎を読み解いていく新手のミステリーハンター的な。まあぶっちゃけ説明があんまりわからなくても、縦横無尽に広がる一人じゃ絶対迷子になる(そして二度と出て来れない)ような地下道を歩き回っているだけでインディー・ジョーンズみたいでめっちゃ楽しいのでおすすめ。
地下道は天井が結構低いので、背の高いヨーロッパBOYSはかがまないとぶつかる。前を行く人がかがんでいるとついこっちもかがんでしまうんだけど、我々は別にかがむ必要ないっていうね! 父は多少ギリギリのところもあったけど。

ツアーを終えて地上に戻る。さっきまでぼーっと眺めていた街並みも、街の造りや役割をいろいろ知ってから見るとさらに楽しめていいね。
のんびり歩いて旧市街を出て再び駅方面へ。これが本日のメインイベント、Plzeňský Prazdroj醸造所だーーー! 醸造所の見学と地下道博物館、そして今回は行かなかったけれど地下道博物館の地上にある醸造博物館のチケットは2つ以上組み合わせて購入すると25%の割引になるのでかなりお得。公式サイトでそれぞれツアーの開始時間・言語・人数を選んで購入できるので、日程が決まっているなら事前にチケットを手配できて楽ちん。醸造博物館のチケットも組み合わせようか迷ったのだが、ツアーの時間が合わなかったので断念。6年前に行った時はツアーなんてやってなくて自由見学だけだったような気がしたんだけど……あれかな、組み合わせ割引はとにかくツアーだけ適用ってことなのかな。情報求む。
醸造所の見学まではまだ時間があったので、先にお土産コーナーを物色。目的はただ一つ、Plzeňský Prazdrojのロゴがドカーンとデザインされている系のクソダサお土産Tシャツである。なぜ前回訪問時にそういうやつを買わなかったのか、帰国後真っ先に後悔した。それ着てライブとかビアフェスとか行ったら絶対死ぬほど楽しいじゃん!! 6年前のわたしの大馬鹿者!!!!! ということで今回は何が何でもPrazdrojの主張が強すぎるTシャツを買って帰る! 俺は決めたぞ!!!!!
と意気込んだのだが、思いのほかお洒落なTシャツが多くて普通にかわいいレディースTシャツを買ってしまった。同居人にもお土産にTシャツを選び、両親も自分たちの分を買っていたのでいよいよ一家総動員でPlzeňský Prazdrojの回し者である。ただし個人的にアサヒのビールはそんなに好かんのでそこんとこはよろしく(謎アピール)。

まだまだ時間があったので、醸造所内のレストランで軽い昼食。かなり席数があり広いレストランなのに、フロアの半分くらいが予約席になっていたのでしばし並ぶ。でかい団体ツアー……中国かな?
地下道博物館を見学した際にこのレストランで使えるビール1杯(0.3L)無料券をもらっていたので注文を取りに来てくれたウエイターさんに見せたところ、爆速で回収されて爆速でビールが出てきた。そういう決まりなんだろうけど笑っちゃう。
そんなにお腹が減っていなかったので、ブレッドボウルのグラーシュとクロバーサというちょっとスパイシーなソーセージを注文。このクロバーサが表面こんがり中身は弾けるジューシーさでめちゃくちゃ美味しかった!! あまりに美味しかったので写真はない。マスタードがケチケチしないでドーンとお皿にのっかっていたのもポイント高し。もう1杯ビールを追加してのんびり過ごした。

エンジンもかかったので醸造所見学のスタート地点、インフォメーションセンターへ。我々が参加した英語ツアーは満員御礼で、ツアーの待ち合わせ場所も人でいっぱい。さっきの地下道博物館のツアーで一緒だった人たちを発見したのはちょっと面白かった。さらに、我々のすぐ前には特別催行のツアーもねじ込まれていたみたいで建物全体がなんとなく混雑。みんなビール好きだな~。
センター内でこの醸造所のおおまかな歴史について学んだら、いざバスに乗り込んで工場の敷地内へ。ガイドのお姉さんが操作すると物々しいゲートが開くんだけど、その後お姉さんが颯爽とバスに乗り込んでくるのがなんかよかった。かっこいい。

まず最初に訪れるのは、びん・缶にビールを充填する工場。大量のびんと缶と王冠がライン上を流れていくの、ずっと見てられる。楽しいw ガイドのお姉さんが暇そうな隙を狙って、「これって1日でびんと缶どっちの生産量が多いの?」って聞いてみたら「ちゃんとしたデータはわからないけど、たぶん1日に同じくらいの量を生産してるはず」とのこと。へー。
その後鉄板の「どこから来たの?」トークになり、日本からだよ~と言うとやっぱり「Prazdrojは日本のアサヒと提携したからね! アサヒのビール好き?」と聞かれたのでここはグッとこらえ大人になって「うん♡」って嘘ついておいた。うん。この件については正直思うところメッチャあるんだけどその話すると別な記事になるからやめとこう(さっきからちょいちょい言ってるやん)。

ツアーは結構人数が多いのだけど、なんかみんなやたらとマイペースで興味あるんだかないんだかよくわからないちんたらっぷり。行動速度が自由過ぎる。「次行きますよ~早くして~~~」みたいなことをガイドのお姉さんがツアー中に割と何度も言う羽目になってて、いやほんとお疲れ様です。

またバスに乗ってゲートのところまで戻り、すぐ脇の建物へ。ここは建物の入り口がそのままエレベーターになっている驚きの仕様。定員は72名でチェコ国内でも最大級らしい。ホテルのエレベーターもそうだけど、向こうはおそらく耐荷重に対して定員人数の設定が違うよね? 日本カウントだったらこのエレベーターも80人くらいになるのでは。

ビール瓶によるおしゃれ照明は健在。この裏の映像ブースはどうやらリニューアル中だったみたいでスルー。
この後は恒例の「さわってみよう麦とホップ」のコーナー。なんで麦を床にばらまいているのかは永遠の謎だけど、ハンドルを回すとホップが挽かれて香りが立つのは楽しい。そのホップも床にめっちゃ散らばるんだけどね。顕微鏡を覗くと酵母も見れるよ(※イメージ画像)。

かつて醸造に使われていた銅製の窯。伏せたじょうごみたいな外見がかわいい。内部が見えるようになってるやつもあるよ。
この後醸造の過程がチョークアート風のお洒落動画で説明される。こんなのあったっけ!? 入口付近の映像コーナーが使えないからこっちでやってるのかな……?(曖昧な記憶) 写真に写っている白い壁の広く空いたスペースに大きく投影されるため、フロアのどこからでもかなり見やすい。親切!

そして隣のフロアは現在でも本当にビールを醸造している窯。んっ……さっきまで見てた昔のとそんなに変わらないのでは……? でもこっちでは作業帽を被った人が本当に機械を管理している姿がガラス越しに見えるし、何よりフロア全体が麦のあま~い香りに包まれている。ほんとにいい香りで、これを堪能しに工場見学に来るようなところあると思う。

歴代工場長の肖像を拝んだ後は、いよいよ地下潜入。数時間前も同じようなことやったなって? この街はそういうダンジョンなのだ、仕方ない。
そこそこ傾斜のある坂道を下っていくのだけど、足を踏み入れるだけで一気に空気がひんやりする。1年を通して一定の温度が保たれる、文字通り天然の冷蔵庫なのだ。足元は結構滑りやすいので注意。
さっきの地下道博物館と同じく、ここも横道が多くてはぐれたらジ・エンド感すごい。しかもツアー用に整備された地下道博物館とは違って、特に立ち入り禁止の立て札やコーンなんかは置かれていないのでその気になったら簡単に迷子になれる。ここまで散々マイペースに歩いていた一行も、さすがに地下道に入ってからは心なしかシャキシャキお姉さんの後を着いていったような気がする。いや、単にいよいよ間近に迫ったビールの試飲が楽しみだっただけかもしれないけどw

本当にこの樽で今もビールを熟成しているんだからすごい。チョークで日付が書いてあるのは仕込み日とチェック日の印なのかな? 一行はもういよいよビールのことしか考えてない(おそらく)。
お姉さんもそのことは重々承知なので、「今前にいるグループが終わったらあなたたちの番だからもう少し待ってね」と我々をなだめにかかっていた。なんかごめん。

たっぷり0.3L。無濾過の樽出し。筆舌に尽くしがたいうまさ。樽からどんどん注いでくれるおじさんの手際が良すぎて、たぶんあれは専門職。
すっかり気分の良くなった一行は思い思いに記念写真タイム突入。我々も3人での記念写真を撮ってもらった。今思うとなんでガイドのお姉さんと一緒に撮ってもらわなかったかなー! ちょっと後悔。最後に母は(別に大阪の人間でもないのに)お姉さんに飴ちゃんを握らせていた。コミュニケーションちから強すぎ。
最後にまたエレベーターに乗って地下から脱出するのだけど、出てくる先がお土産コーナーといううまい商売。ツアーを終えた一行が三々五々に散っていくのがなんか面白かった。

駅まで戻り、朝出てきたのとは反対側の駅舎(こっちが綺麗)の写真を撮ったりしているうちに電車の時間に。帰りはクロスシートの車両に乗り込んだけど、途中で結構たくさんの人が乗ってきた。地図を見るとプルゼニュとプラハの間には自然公園があるらしく、装備を見るにそこでトレッキングした人たちが多かったのかな。そういう旅もいいよな~。

少々遅れたものの、ほぼ定刻でプラハに到着。またTESCOに寄って、売り場のおばさんとのコミュニケーションが必要とされる量り売りのお惣菜にチャレンジ。魚が食べたいという父がいくつかそれっぽいものがある中から直感でチョイスしたマスのマリネが大当たりで、ビールにもワインにも合って美味しかった。がんばって買ってよかったね。いやまあ別にそんなに難しいことはないけど、チェコ語でやり取りできたほうがスムーズだとは思う。
ナッツを砕いてトッピングするという技を編み出したおかげでサラダもちょっと豪華になっている。部屋でもまたビールを飲んだので、本当にビール漬けの1日になった。最高。

寝る前に最後の洗濯をこなして就寝。旅ももうそろそろ終わりが見えてきて、ちょっとさみしくなるね~なんて話を母とした。

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