見出し画像

第1回 演劇同時視聴会 を終えて

先月末 第1回 演劇同時視聴会を無事に開催することが出来ました。
出来れば月一回開催したいんですが、今月は日程的に厳しかったため、第1回の振り返りをする事にしました。

配信作品の音について


今回思ったことは、音質はやはり大切。音質が悪いと集中力が下がってきて眠くなってしまいます。上演作品を配信するアーティストには是非こだわって欲しい。

特に演劇作品というのは、テレビや映画のように音源が集結されていないという特徴があります。
例えば、道を歩く足音、雷の落ちる音、話し声、バンドの演奏する音楽、これらは音量も音の鳴り方も全く異なる音ですが、映画では、足音も雷鳴も話し声も音楽も全て、同じスピーカーを通して観客の耳に届きます。
でも演劇だと、足音は俳優の足から聞こえてくるし、話し声はそれぞれの俳優の口から聞こえてくる、雷の音を鳴らす楽器を使ったり、音楽だけスピーカーを使ったりもします。
つまり舞台作品は映画やテレビに比べて、音量も、音のベクトルも圧倒的にレンジ(可変域)が広いのです。そしてそれだけ高音質でメディア化するのが難しいということです。

実際に今回視聴した、かまどキッチンの作品がどのような方法で録音されたかは分かりませんが、音が割れ気味になっている場面が多かったのは残念でした。

観劇経験 対 視聴経験

逆に言うと、舞台作品の映像化に際して「音」をどのように扱うのかということが、観劇の経験と視聴の経験の関係を刷新することのできる鍵の一つなのかも知れません。

録画については、複数のカメラで、場面ごとにカットを切り替えてみせくれる作品が増え、定点カメラで舞台全体をただ映しているという作品が減ってきているように感じます。
単純にどちらが良いとか言うことではありませんが、舞台が観客の前にただあるように映像として保存するのではなく、観客が舞台を観ながら次々と視点を移すように撮影し映像かすることで、観劇の経験を最初から含んだ映像として録画しているということです。(自由なはずの観客の視点を強制するという別の問題もあるにはある。)
このような映像の方法が今後、「舞台作品を映像化して売る」業で主流になるのだとしたら、やはり音の作り方も、観客の耳の経験を再現する形で映像化したほうが、保存物として統一されたメディアとなるはずです。

観客の聴覚の経験を織り込んだ音作り。VRとかの立体音響などが、その解決策になるかもしれません。新しい技術が必要かもしれません。

まとめ と お知らせ

舞台作品が配信される理由にも関わって来ることですが、やはり表現と技術は切り離せないものです。せっかく配信作品を観るのだったら、画質、音質の面で気をそらされたくないです。
そして単に音が良い、悪いという尺度だけではなく、舞台を観ること、とそれを映像にして観ることの関係性からどう音を作っていくのか考えられて欲しいと思います。

と何故か、観客のアプローチとして始まった企画なのに、製作についての話ばかりをしてしまいました。
が、演劇同時視聴会を主催する観客としては、同時視聴できる演劇の作られ方に考えないまま、人を募って作品を買わせるというのも無責任過ぎるので、必要だとも思っています。


さて、次回の演劇同時視聴会は、出来れば無料の作品を扱いたいと思っています。(リクエストがあったから)
なおかつ、今回話したような音の作り方をしている作品を選んだりできたら、会として発展する感じがあって、大変よろしいんですが、僕も観たことがないものを選ぶというという企画構想があるので、ちょっと悩んでいます。ぴったりの作品を知っている方はご教授ください。
またTwitterとInstagramで告知します。よろしくお願いします。

以上!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?