マルチタスクなど存在しない

マルチタスク
ー複数の作業を同時並行、短期間で切り替えながら同時進行で行う能力のこと

普段仕事をしていると、
「マルチタスクができないから仕事ができない」「マルチタスクができるようにならないと仕事早くならない」
なんて言葉をよく聞きます。

私には全く理解ができません。

人々が想像している漠然とした"マルチタスク=複数の仕事を同時並行で行う"という言葉を実現できている人間を一度も見たことがないからです。
もしやれていると思うのなら、それは注意力散漫で全て中途半端に手をつけているだけです。

一番上に定義らしきものを書いているのですが、ここをもう少しわかりやすく理解しておいたほうがいいと思うのです。

具体的には、
「複数のタスクをそれぞれ各ステップに分解し、そのステップを時系列に沿って並べ、遂行する能力」
だと私は理解しています。

まず第一に、仕事はひとつのものだけやるということはレアケースなので、複数のタスクをやる必要があるのは当然なのです。
非常にシンプルな例をひとつ挙げます。

例えば新入社員で以下2つの仕事があるとします。

タスクA:お客様にメールを送る
タスクB:日報をExcelで書きメールで提出する

タスクAには、
STEP1)送るメールの件名、本文を考え記載する
STEP2)先輩に送る文章を確認してもらう依頼をする
STEP3)フィードバックをもとに書き直す
STEP4)メールを送信する
があり、

タスクBには、
STEP1)日報のフォーマットを立ち上げる
STEP2)日報を記載する
STEP3)日報を投稿する
があるとします。

これをタスクA→タスクBと進行しようが、各STEPをごちゃまぜにして進行しようが、
時間効率は変わりません。寧ろ順序よくタスクをこなすほうが抜け漏れがなくて良いケースが多いです。

ただし、これが当たり前にできるようになって、時間効率を上げたいなというスケベ心が出てきた場合のみ、意図的に順序を入れ替え時間のロスを減らすという技を使えば良いと思います。

具体的には、タスクAのSTEP2の先輩にメール文を確認してもらうことをSlackなどのchatで行う場合、先輩が確認する時間というものが隠れていて、じゃあこの確認時間中はタスクAは進められないからタスクBを進めよう(寧ろタスクBを最後まで終わらせるつもりでやって良いと思います)という感じです。

これを外から解像度を下げて俯瞰的に見た場合、
「あたかも複数のタスクが同時並行しているように見える」
つまりマルチタスクがなされている状態だと思います。

マルチタスクができていないと思う人は、シングルタスクを時系列に並べて、なおかつ時間効率をあげるような組み換えができていない人だと言い換えることができるので、自分ができていないものを明確にして改善してみるのがよいのではないでしょうか。

何度でも繰り返しますが、
マルチタスクは、シングルタスクの積み上げがあたかも同時並行に見えているという状態です。
もっというと、マルチタスクは人から見えている仮の姿なのです。

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