仕事が早いと"思われる"のは三文の得

印象というのは曖昧で、普通に生活していて
自身の印象を他人に同じように与えることは
非常に困難と言えます。

「自分は周りより仕事が早い」という自負がある人が、実際に「あの人は仕事が早い」という評価されているかというと、かなり疑問です。

逆に言えば、他人が仕事が早いと評価することは、
実際に仕事が早いかどうかとそんなに関係がないのではないかと思います。

私のケースを振り返ってみます。

一生懸命に仕事をして3年ほどが経ち、ある程度一人でできるようになった私は、
だいぶ香ばしい若者になっていました。

納期を遅延したこともないし、「仕事が早い」と思い込んでおり、お恥ずかしい話、
当然他人からもそう思われているだろうと思っていました。

しかしふと我に返ると、
「仕事が早いね」と"実際に"言われたことはほとんどなかったことに気づきました。

それではどうすれば良いのかと考え、
ちょっと極端なことをしてみようと思い立ちました。

極端なことと言っても、やったことはものすごくシンプルで、たった3つです。

①メールの返信を1分以内にする
②商談が終わったタイミングで、議事録を送り、「今送りました」とその場で伝える
③電話での見積対応時、その電話中に見積を送付する

当時営業だったので、やったことは
たったこれだけです。

もちろん都合が悪く、そうできない場合もありましたが、できるときは意識的に行いました。

その結果半年もしないうちに、
お客様に「めちゃくちゃ仕事早いですね」と言われるようになりました。
また、副次的な効果で驚いたのは、
お客様から、納期調整とリマインドの連絡が来たことです。

私たちは人間なので、どうしても抜け漏れや失念が発生してしまいます。
もちろんスケジューラーやリマインダーを使って対策をしますが、100%対策できるということはありません。

しかし、こうやって相手に「仕事が早い」という印象を与えておくと、
納期の前日くらいに、心配と納期調整しましょうか?という連絡が来るようになりました。

そもそもすぐに対応していたので、数はそんなに多くないですが、
それでも実際仕事が逼迫していたり、抜け漏れてしまっていたときにはアクションが遅れることがあります。ある時すっかりやるべきことを忘れてしまっている時に、お客様からメールで連絡が来て、

「今お忙しいですよね...?大丈夫ですか?あれだったら、納期調整しますので遠慮なくおっしゃってください!」
と言っていただきました。

つまり、相手方には、いつもあんなに早い○○さんが納期前日まで音沙汰がないということは、
体調不良とか逼迫しているはずだ、
という印象を与えられていたのだと思います。

蛇足ですが、こういう場合も驕らず、
「ご心配をおかけして申し訳ございません。少々逼迫しておりますがなんとか納期には間に合いますので、もうしばらくお待ちくださいませ」
などと仰々しく返信しておくのが良いと思います。

このように、仕事が早いと"思われる"のは、ビジネスマンとして信頼されることはもとより、
ミスがミスに見えない、また他人がリマインドまでしてくれるという副次的な効果をはらんでいる可能性もあります。

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