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ギラギラしているビジネスマンが苦手

「嫌いなものより好きなもので自分を語れ」と海賊王は言うが、不思議なもので俺は嫌いなものの事を書く方が断然筆が乗る。
あいつが嫌い、これが嫌いだの恥ずかしげも無く言う26歳にしてイヤイヤ期真っ只中の俺であるが、今更この性格を修正するのも面倒なので嫌いなものを語らせたら右に出るものは居ないとでも言って開き直るしかあるまい。

嫌いなものが夜空に浮かぶ星の数よりも多い俺だが、その中でも一等輝く一番星がある。
”意識高い系星座”の丁度中央に輝くその星の名を”やたらギラギラした感じのビジネスマン”と呼ぶ。
その手の人間と遭遇した回数は、正直指で数える程しか無いのだがその様な人間と会話をした時の不快度指数というのは筆舌に尽くし難い程だ。
特に印象が残っているのが、8年ほど勤めた会社を退職した時異業種に転職しようと始めた無料のITエンジニアのオンラインスクールで遭遇した人間で確か卒業後の就職先を斡旋する様な仕事をする人だったと思う。
日サロで焼いた肌に似合ってもないツーブロック、ホワイトニングしたのであろう異様に白い歯、正体不明の眼力を持つ目といった絵に書いたようなギラギラ系で内心「う~わ」と思った。
この類の人間はどうして判を押したように同じ様な出で立ちでいるのか理解出来ない。
奴らの使う教科書には「こういう格好でお仕事をしましょう」とでも記されているのだろうか。

何より不快なのは、その尊大な態度だ。
擬人化されたコーヒー豆みたいな見た目は我慢出来てもその不遜な態度だけは我慢ならない。
能力に裏付けされた自信なのかと思いきや、あいつらの様な人間が多く存在する業種では仕事が出来る様に見せる為に虚勢を張るという行為が日常化している為に実際そんなに仕事が出来る訳ではないという事も多々あるらしい。
結局俺はそのオンラインスクールを挫折してしまい(面倒くさくなった)結局辞めたのだがその意向を伝える際にそいつには「前みたいな製造職に戻られるってことですね、まぁ鉄板でも何でも作って頑張ったら良いんじゃないスか?www」かなりナメた事も言われたので殆ど私怨に近い感情なのではないかという疑念も自覚してはいる。

しかしそれを差し引いてもあの手の人間の不快さ、不気味さは受け入れがたいレベルのものだ。

不気味さで言えば、特筆すべきはあの目だ。
ウルフ・オブ・ウォールストリートというハリウッド映画では、証券会社に務める主人公の上司が仕事の秘訣として「コカイン」を勧めてくるというシーンがある。実はこれは大げさな脚色でも何でも無く、アメリカの上流階級のエリートビジネスマンが仕事に集中する為に常習的にコカインの様なアッパー系ドラッグを使用するという事例が多発しており社会問題になった事すらある。
故に、欧米のビジネスマンの目がギラついていても「麻薬でもやってんだろうな」と容易に想像がつく。
対して殆ど一部の人間の間でしかドラッグが流通しないこの日本社会で、あのビジネスマン連中の目のギラつきの正体が不明であるというのが俺には大変不気味に感じる。

胸の内から出づる仕事への使命感が目をそうさせるんですよ!とか仕事中毒の連中は言うのかもしれないが、もしそうであるのならば俺は尚の事奴らの事が嫌いになりそうだ。

仕事なんてものは、本当だったら無い方が一番良いに決まってるのだ。
将来に不安を一切感じないで済む様な莫大な富があれば、皆一生遊んで過ごすのに決まってる。
それが出来ないから仕方なく自分に出来そうな事を選んで一日一日を何とか生き延びる様な思いで生きてるのに「本当は仕事なんてしたくねえ」みたいな気持ちに嘘をついて、見た目を仕事の為にウケる容姿に改造する。そういった行為が健全である筈も無いのに、その異常事態を自覚するでもなく”仕事に熱心な俺たちカッチョエエ~~~ww”みたいな自己陶酔に浸って生きてる人間なんかキショいに決まってんだろ。

このサイトで”ビジネス界のカリスマ”気取って書いてるギラギラ系ビジネスマンも全員くたばれば良いと思っています

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