「またね」がないから今夜は幽霊

これは極論である
これは比喩である

わたしは今夜幽霊だから

ティーカップの中にはいない、元からいない
スプーンの中にもグラスの中にもアールグレイの中にもいない
でも探してしまう
なぜなら不特定多数の集まるテーブルにいて、ほかに出来ることがないから

不特定多数とはわたしで、あると思う、
わたしとは不特定多数だ

口を開けば嘘を吐いた
口を閉じてそのまま嘘を噛んだ
自分以外の誰かからすれば真実であったとしても、
わたしにとってはそれは嘘なんだよ
だって自分のことだからね

感謝だけは伝えたつもりで明日までも逃げよう
簡単に断ってごめんね
でも断らないと進めない気がして

一番悪いのは、真実は噛んだままだってこと
だから「またね」が言えない


2016/10/20 02:05


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