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#3:競合と自社を比較すると、見えてくるもの

実践編 #3 

「先生」のオンライン/リアル兼用のナレッジトランスファー型サロンを開設に向けた、新規ビジネス立ち上げのプロジェクトサポートの続きでです。

最初から読む場合はこちら、前回から読む場合はこちらから

新規ビジネス立ち上げにおいて重要なのは、想定される顧客が何を望んでいるかを把握することだと前回noteでは書きました。3C Customer分析です。

その想定顧客が製品/サービスを購入する際に、自社とともに比較検討するであろう競合についても把握しておく必要があります。今回はそのお話です。

競合把握は、競合が目指すGOAL、競合が提供するベネフィット、競合が提供している製品サービス内容、そして価格など多岐に渡り、調べる必要があります(3C Competitor分析)。

ただし、いいことに、今の時代、ほとんどの情報はネットで収集できます。その内容をマトリックスにして比較します。

複数社比較するとともに、自社を含め比較すると、差が明確になります。3C Competitor/Company同時分析です。なぜ、競合と自社を同時に比較する必要があるかについては、下記を参照ください。かなり論理的に説明しています。

3C Competitor/Company同時分析

「先生」のサロンについてもこのプロセスに沿って進めました。競合となりうるサロン3社の情報をマトリックス化したシートに埋めていきます(A社は直接競合とならないと判断したため検討せず)。

現在進行中のプロジェクトのため、伏せ字だらけで申し訳ないのですが、こんな感じでマトリックスを埋めていきます。実際はもっとあるのですが、一部のみ公開です。でも、3C Competitor/Company同時分析のマリトックスのエッセンスがここに詰まってます。

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1-1.座学の各内容がA~Hで、この分野の内容を網羅的に学べるのが、B社、C社の特徴です。その中でも個別内容について、B社、C社ともに専門性がある部分がわかってきます。また同時に、似た競合だと思っていたのですが、B社、C社のゴールやスキームの違いもわかってきました。

一方の自社「先生」については、その専門性の高さから、全体ではなく、その一部分のみしかカバーできないことがわかりました。このままでは、B社、C社に引けを取ります。。。

当初はそのように考えていました。そのため、「先生」は、外部講師を招聘し、その穴を埋めようとまで考えていたそうです。

ちなみに想定顧客の「初心者」と「中級者」のニーズ把握は前回行っていたのですが、座学、提供コンテンツ(未掲載)の内容を精査していくうちに気づいたことがあります。知識差は当然あるのですが、どちらのニーズもほぼ同じで、あえて区別する必要がないことがわかりました。そのため、マリトックスでの記載はしていません。

また、B社、C社が、すでに「初心者」「中級者」ニーズに対して、メニューを提供してくれていたので、B社、C社が提供している座学内容を、そのままマトリックスの判断指標として使用することにしました。ここはコンテンツメニューとなるため、重要な点ではあるのですが、深く考える必要がなくなり、時間短縮できました。その分、コンテンツ内容を吟味することができます。

これが、現状、つまりAs isの3C分析の結果です。ここから「先生」の独自資産をベーストした差別化を考えていきます。

競合SWOT

マーケティングフレームワークフロー(MFF)活用講座で、まだSWOTまでたどり着いていない中で、その派生である競合SWOTを出してしまって申し訳ないのですが、「先生」のプロジェクトでは競合SWOTを使ってます。

競合SWOTは、競合/自社のコアバリューやコアコンピタンスを明確化するために行います。競合の強さ、弱さを把握、自社の独自資産、それに基づく強さ、弱さを同時に把握し、そこと真正面勝負をかけるのか、それとも勝負を回避するのかを判断します。

3C Competitor/Company分析が具体的な競合/自社比較であるのに対して、この競合SWOTは、その結果から見えてきた内容を抽象化し、本質的な競合/自社を把握する比較と言えると思います。

この本質的な強さ、弱さは、As is(現状)のオファリングにも当然影響を与えています。この強さがない、つまり弱さしかない状況でオファリングした場合は、説得力のない内容にしかなりえず、顧客から評価されないものになってしまいます。

強さに立脚したオファリングでしか競合優位性を確立することはできません。そのため、オファリングは、この強さに立脚して考える必要があります。それが顧客満足を得らることにつながります。

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このように比較してみると、B社、C社は、全面的に数字的な実績をアピールしているのに対して、自社「先生」は「ZZ以外の実績の少なさ」と「数字的根拠」が出せないことが、根本的な「弱み」であることがわかりました。

その一方、自社「先生」は、CCの有資格者であるため、CCの知識はもちろん、B社、C社ではアピールのしようがない、ZZの実績、AAの実績が明確な差であることがわかりました。

このZZの実績は、実は圧倒的な数です。ただし、ZZにしか適用できないため、「先生」は、その脱却を図る目的のためにも、このサロンを開こうと思っているのでした。

ここからがボクの戦略家としての本領発揮です。このAs isの競合分析を元に、「先生」のポジションニング、オファリングを決定していきます。

つづく

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