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箱根デュアラー生活 #番外編

note公式マガジンの「ワーケーション」にピックアップ頂き、ちょっと舞い上がっています。折角なので、体験談ではなく、実現方法や効果など”働く環境”にフォーカスをあて、ワーケーションについて考えてみたいと思います。

ちなみに、ボクはワーケーションの一要素である”リモートワーク”については、10年超のベテランです。また、”リモートワーク”に関して、本業の外資系IT企業の肩書で日経BP社ならびにImpress社で掲載を持たせてもらったこともあります(単発じゃないよ!)。

それなりに知見があると自負しております。少しは参考になるアドバイスなどできるのではないでしょうか。

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築50年超の箱根のリゾートマンション(リゾマン)を購入しました。壊れてはいないけど、築古が故に直したいところがたくさん。自分好みの部屋に模様替えをしながら、リモートワークもできる環境も整備、好きなときに川崎と箱根を行き交うことができるデュアルライフを目指します!

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ワーケーションの定義

さて、今更なのですが、ワーケーションの定義です。

ワーケーションとは、
「ワーク」(労働)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた造語(かばん語)。観光地やリゾート地*1テレワーク(リモートワーク)を活用*2し  、働きながら休暇*3 をとる過ごし方。在宅勤務やレンタルオフィスでのテレワークとは区別される*4
Source: Wikipedia,  *はの~ち注

*1~3は、Wikipediaによる”ワーケーション”の要件です。ここで、「ふと」気付くのが*3「働きながら休暇」という要件です。「働く」「休暇」という相反する言葉が並列に書かれています。

「働きながら休暇」は耳障りがいいフレーズです。しかし、物理的に考えてみると、並列(同時)に実施することが不可能なことはすぐにわかります。働いている最中には休めないし、休暇中に働くことはワーカホリックでしかありません。すると、順次、つまり、働くのが終わったら休暇となると考えるのが現実的です。

となると、例えば、
・9:00-17:00は「働き」
・17:00-は「休暇」
と考えるべきなのでしょうか?

あるいは、時短での働き方で
・9:00-12:00は「働き」
・12:00-は「休暇」
が、ワーケーションになるのでしょうか?

一見、「働きながら休暇」は、ワーケーションを一言で表している定義のようですが、言葉として意味をなしていません。「休暇」は「働かない時間=自由な時間」の意味しかないとすると、どこにいても、観光地やリゾート地にいなくても「働きながら休暇」していることになってしまいます。

気持ちの持ち方を「働きながら休暇」と表しているのだろうことは想像できますが、定義を表す表現としては不適切です。

と、いうことで、要件*1「観光地やリゾート地」と要件*2「テレワーク(リモートワーク)を活用」を満たすことが、「ワーケーション」の定義と考えるのが妥当です。つまり、「観光地やリゾート地でテレワークすること」が”ワーケーション”のようです。

これであれば、物理的にAND条件を満たすことができます。また、*4「在宅勤務やレンタルオフィスでのテレワークと区別される」にも合致します。

観光地やリゾート地で”しごと”をする理由

では、そもそも、なぜ観光地やリゾート地に来てまで、”しごと”をするのでしょうか。それは観光地やリゾート地が自宅やレンタルオフィスと異なる環境だからにほかなりません。

異なる環境に求めることは、人それぞれだとは思います。”しごと”終わりの”観光”なのかもしれませんし、”自然”に近い環境で”しごと”をすることなのかもしれません。

ボクの場合は、後者でした。

ボクは暑さにめっぽう弱いのです。夏になる度に夏バテをします。夏バテなので病気ではないのですが、夏の間、自分のパフォーマンスを最大限発揮できないもどかしさを毎年感じてました。

一日中クーラーを付けていればいいのでしょうが、クーラーを付けたところで、”夏”のせいか、清涼感をやたらと欲します。極端に”緑”を見たくなります。自分のしごと部屋からは隣のマンションしか見えず、ベランダにグリーンを置くことを計画したことがありますが、やはり違います。

根本的な欲求として、夏の間は涼しく、”緑”のある場所、”リゾート”にいたいのだと気づきました。

”リゾート”に行けば、体感的に涼しいだろうし、自然豊かで”緑”豊かであるでしょう。身体も”夏バテ”することもなく、精神的にも”夏バテ”することはなくなるだろうと考えました。

そう、あくまでボクの場合でしかありませんが、「”リゾート”は夏場の快適な居住空間」というイメージでした。そこでは、普通に生活します。リゾートにいるからと普段と違う生活をするわけではありません。毎日外食で観光地めぐりという生活を求めているのではありません。自宅にいるように、自炊が中心で仕事もする。休みの日には近くに遊びに行くし、買い物にも行く。

”ハレの日”、特別な出来事や何かを求めるわけではなく、生活の場を変えるだけの二拠点生活。ただし、そこは、身体的、精神的な快適さは必要。それが、ボクの”リゾート”に求める要件でした。

二拠点生活を行うためには、リゾートに居住するための拠点が必要です。ホテル等宿泊施設に長期間泊まることは費用面でかなりの負担になります。特にウチの場合はワンコがいます。ペット宿泊可でそれなりのホテルはそれなりにお高いのです。家族3人で長期などは経済的負担が大きすぎます。また、自分が快適だと思う仕様に変更することも不可能です。特にボクの場合は、しごと環境に少々こだわりがあるので、それを毎回セットアップするのは億劫です。

これがボクが箱根のリゾマンを購入した理由でした。リゾマンを選択した合理的理由については、こちらにまとめているので興味を持たれましたらお読み下さい。

”しごと”環境に向かないリゾート地の季節

「夏はいいけど、秋や冬はどうする? 夏がそんなに涼しく快適なら、冬はさぞかし寒いだろう」という疑問がでると思います。

実のところ、あまり考えていませんでした(汗 

自然豊かで温泉もあるので、秋は窓からの紅葉の景色を眺めてこころを癒し、冬は寒くなったら一日何回も温泉に入ろうかな、程度に考えてます。実際にまだ箱根の秋冬を経験していないので、風流なことを書いていますが、現実に直面すると、ほとんど来なくなるかもしれません。

月々の管理費と積立修繕費はかかりますが、それこそ別荘(リゾマンですが)の維持費と割り切るしかないです。そこまで高い金額ではないので、そのぐらいは支払いできます。家族3人の夏の長期宿泊の積立と考えれば、割り切れる金額です。

それこそ、ワーケーション目的ではなく、冬休みの1週間休暇として来るのもいいかもしれません。温泉があるので、朝風呂入って、お酒を飲んでテレビ見て昼寝して温泉、夜ご飯食べて寝る前にまた温泉、なんて一日が過ごせそうです。

観光地やリゾート地で”リモートワーク”する環境

本題の”観光地やリゾート地”でしごとをするための”リモートワーク”環境についてです。この答えは実はとても簡単です。リゾート地でリモートワークをするにおいても、リモートワークには変わりない訳で、リモートワークに必要な要件を満たせばよい、が答えです。

つまり、「精神的環境の話はおいておいて、物理的環境は自宅やレンタルオフィスと同等にすべし」。要件はこれ以上でもこれ以下でもありません。

ちょっと毒を吐くなら、ワーケーションだから仕事がはかどるとか、ワーケーションをポジティブに語られる記事やブログをよく見ますが、それは精神面のことであり、気の持ちようです。オフィスでも自宅でも、集中すればしごとははかどります。

オフィスや自宅での仕事がスタックしており、自然に近い場に”しごと”場を移したことにより、気分転換が図れることはあると思います。しかし、それを実現するためには要件があります。

そう、上述した自宅やレンタルオフィスと同等の物理的環境です。テレワークが社会的に認知されだした際に「テレワーク三種の神器」なる言葉がでてきました。パソコン、インターネット、ウェブ会議ソフトです。その後には、「新・三種の神器」なる言葉も出てきました。椅子と机、大型モニター、会議用スピーカーマイクです。

ワーケーションを行う上においても、これら6つのツールが不可欠です。

正直、ネットとパソコン1台あればどこでも仕事はできます。しかし、7-8時間の”しごと”を行う上では、腰が痛くならない椅子が必要です。また日々大型モニターを使用している人がパソコン1台で仕事をしようと思った場合、当たり前ですが生産性は落ちます。

ボクはデュアルモニターで仕事をしているので、デュアルモニター環境でない場合、生産性は極端に落ちてしまいます。複数ウィンドウを立ち上げて調べながら資料をまとめることが多いため大型モニターは必須です。「デュアルモニター 生産性」で検索するとすぐわかりますが、デュアルモニター環境で仕事をすると生産性は平均で42%アップします。それが当たり前になっていると、パソコン1台で仕事を行う場合、自身のパフォーマン劣化をひしひしと感じます。

文筆業の方が高原や海辺でパソコン1台で仕事をする光景がワーケーションの代名詞的に紹介されますが、疑問しかありません。気分転換はできるかもしれないが、生産性はどうなっているのだろうか?と。この人達はもともとパフォーマンス悪いんじゃない?と。まー文筆業の方はパフォーマンスよりクリエイティビティの方が重要なのは理解しますが。

実際、本noteを書くことは、日々の仕事とは異なり、書くだけの作業です。しかし、「新三種の神器」や「デュアルモニターの生産性」についてはネットで内容を確認して書いています。当然パソコン1台でも検索できますが、おそらくデュアルモニター環境の方が42%は早いはずですw

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ちなみに、ボクの場合は、通常の仕事ではビデオ会議を1日に2-3時間は行っています。そのため自宅ではスタンドマイクとスピーカー、リゾマンではカンファレンスホンを使ってます。ヘッドホンタイプではないので、耳が痛くなることはありません。椅子もボクの身体にあったものを使用しています。長時間のビデオ会議でも苦になりません。

ワーケーションにおいても、そのぐらい快適性や生産性にこだわっています。仕事をし、給料をもらう以上、最高レベルの生産性を上げられる環境を自分自身で整えるべきだと考えます。

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ここまでは想定し、事前に環境整備をしていましたが、実際に箱根でワーケーションをして苦労したのがネットワークでした。ビデオ会議を1日2-3時間するせいか、1日の使用トラフィック量は平均で3-4GB!プライベートでAmazon Primeなど見てしまったら、それこそ4-5GB/日になってしまいます。それなりの大容量G数での契約が必要です。

リゾート地は、響きこそいいかもしれませんが、実際は都会から離れた山奥や海近く。光回線を引こうにも、回線が来ていない場合も多々あると思います。Softbank Airの問い合わせをしたところ、エリア対象外と言われ、この事実を痛感しました。

携帯電波は常に5本中4本で入っていますが、高速回線は難しいかもしれません。この点には注意が必要だと思います。

まとめ

ワーケーションだからといって、通常のリモートワークと何らかわりはありません。気分転換ができる点、ネット回線が貧弱な点ぐらいが違いです。生産性をあげた”しごと”をしたいならば、ワーケーションは場所が異なるだけで、リモートワークの変則系であるという意識が必要です。


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