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私と栄華と盛岡映画館通り

書き始めたら止まらなくなったー。

盛岡の映画館通りにあるラーメン屋さん「栄華」

中1で初めて映画館(東映パラス。ちなみに1階は東映)で映画「魔女の宅急便」を観て、その帰りだったか記憶があやふやだけど、見かけて入ったのが最初でした。

でっかいすり鉢にガッツリ盛られた、滅茶苦茶熱々の味噌ラーメンを、ハフハフしながら啜るのが最高で、30年経った今もそのクオリティは変わっていない。

メニューには他にもタンメンや醤油、担々麺等もあるけど、頼んだことがない。一度、チャーハンを頼んだらウーンだった。餃子は美味しい。ほぼほぼここでは味噌ラーメン一択だった。ここで太麺好きになったかもしれない。

高3の冬、富士大の大学受験を盛岡で終え、一緒に受けた友人と帰りに栄華に入って、何が美味しいか聞かれて勧めた味噌ラーメンを「美味い、美味しい」と夢中で食べてた姿を思い出した。熱い一杯で気持ちが和らいだんだと思う。

その後、成人して東京で働いて、岩手へ戻ってきて暫くの20数年は映画館から足が遠のいていて映画館通りにすら足を運ぶ事が無かった自分を、このコロナ禍のタイミングで引き戻してくれたのが「午前10時の映画祭」。

バック・トゥ・ザ・フューチャー3部作やブルース・ブラザーズを、まさかの映画館の大スクリーンで堪能できた快感を覚えてからは、ダイノジ大谷さんの映画愛にあてられたのも相まって、今の映画も1〜2ヶ月に1度はザ・映画デイを設けてガッツリ味わうようになりました。

この流れで必然的に栄華へ再び通うようになったのですが、今年、齢44になってもまだ「ああ、大人になったんだな」と染みたことがあって、それは「中学生デビューから30年、栄華で初めてビールを飲んだ」こと。

ビールを頼んで、直ぐに出てきて、中瓶を手酌でグラスに注いで、グイッと飲み干したあの瞬間は、足が遠のいていた間も栄華が頑張って残っていてくれて良かった、ありがとう。そんなことを思いながら、程なく届いた味噌ラーメンをすすり、ビールをあおり。至福でした。

30年位前の盛岡映画館通りには、覚えているのでピカデリー、中劇、東宝、名劇1・2、東映、東映パラス、ルミエール1・2、SY内丸(通りから外れてるけど)、フォーラム1・2・3があって、今残っているのは半分もない。

けれど、ルミエールやピカデリーではマンスリーでマニアックな特集を組んでいたり、中劇では午前10時の映画祭を担い、こぢんまりしたシネコンになったフォーラムは売れ線から知る人ぞ知るような所まで、幅広い作品を持ってきてくれたりと、いわゆる大手シネコンがやらないような、歴史ある盛岡映画館通りの名に恥じない、こだわった提案を、どの映画館も観せてくれている。ジャズ喫茶ベイシーと音響ハウスは痺れまくった。

そして、栄華。
自分が覚えているもので、場所は変われど30年前と同じ看板を掲げているのは、大通り商店街のさわや書店やゲームセンター等々と、映画館と、この栄華くらい。

コロナ禍だからって、簡単に手を離せるわけがない。

ああ、盛岡映画館通りに関わる仕事がしたい。
永く続く手伝いになるような。
何か出来る事あるかな。