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世界を広げたければ、3歳児の好奇心に便乗するのが手っ取り早い予感。

もう純粋としか形容のしようがない3歳児。
彼の好奇心や好きへの探究心はブラックホールのよう。
毎日「これなに?」「なんなの?」「なんでなの?」の三段活用で質問責めにしてきて、答えても答えても禅問答は続く。
大人になってなんとなく受け入れてしまっていることや、知らないけど知らなくていいような気がしていることも、彼にとっては全部知りたい不思議だらけのこの世界。
彼が真っ直ぐどっぷりハマったものと、そこから私が得たこと数知れず。
目から鱗ポロポロな日々。

ハマったもの①:緊急車両

男の子は乗り物大好き。
3歳くらいになると、ヒーロー派か乗り物派で系統が別れてくる印象。
我が子は完全に乗り物派。
中でも赤色灯回す緊急車両大好き。
入り口は、「サイレン鳴らしてライト光らせながら、赤信号でも突き進む特別感あるあの乗り物かっこいい!」だったけれど、関連本(と言っても図鑑と絵本)を何十冊も読んで、その役割を理解したら「人には命があること」「命をかけて命を守る仕事をしている人がいること」の理解にも繋がったみたい。
ヒーロー派ではない・・・というより、働く車に乗っている人が彼にとってはヒーローなんだと思う。
通り過ぎる消防車に日々直立不動で敬礼し、救急車を見て帰って来れば自宅で心臓マッサージの練習に励んでいる。

母である私は、息子が興味を持つまで消防車に種類があるなんて知らなかった(全部はしご車だと思っていた)し、救急隊と消防隊は全く別の職業だと思っていたり、知らないことばかりだったけど今では消防署に並んでいる車両に関してほどほど解説ができるし、海外の消防車なんて見た日にはめちゃテンションが上がる。(現に海外訪問時には消防観光も欠かさない)
息子のおかげで、緊急車両に乗って働く人への敬意をリアルに持てるようになったし、走っている車両を見ては自分にとって何事もないこの瞬間、人生の有事に対峙している人に思い巡らすことができるようになったし、ニュースに映しだされる姿を共に見ながら息子の命を守るための会話のきっかけになった。
駆け抜けていく赤色灯を見るたびに、目には見えない「命」や「人生」について意識させられるようになり、当たり前の毎日をありがたがる感覚を私たち家族にもたらしてくれた。

ハマったもの②:天気予報

これは、ハマったというか彼のトラウマでもある。
3歳目前の昨年秋、北海道旅行中に台風・雷・地震・停電を経験した。
雷と地震に因果関係はないのだけれど、同時期に怖い経験が重なったため、天気予報で雷マークを見ると「地震マークだ」というし、強風が吹くと「グラグラしないね・・・」と言ったり、AEDのショックボタンを見ては「これを押すと揺れるの?」と混同している。
それ程に恐怖な体験だったのだと思う。

彼のリクエストに答えて、晴れ・曇り・雨のマークのチェックに始まり、上記の誤認を解消するため、子ども向けの天気絵本を見ながら別事象であることを説明したり、テレビの天気予報の天気図読みをしたりしてきた。
そうすると、自然と地図の感覚が身についてきたり、そこから世界の感覚がぼんやり掴めるようになってきたり、時差の存在が気になりだし、そうなると太陽と月と地球の話になってきたり・・・3歳児にそんな話・・・と思ったりもするのだけど、興味のあることだから大人が驚くほど理解している。
地震についても、弟用のバウンサーを使って実験したりして・・・。
今では、毎日朝晩天気予報をチェックして、アメリカにいる親戚の家の時刻を確認するが彼のルーティーン。(時計も読めないのに)

私自身、地理・地学を専攻していなかった・・・というのはいいわけで、一般常識レベルの天気図の解釈もちょっと苦手だったけど、息子の疑問三段活用に必死で答えるうちに理解が深まり、なおかつ簡潔に説明するスキルが磨かれた感半端ない。

彼の毎日の「今アメリカは夜?」「朝は今どこに行った?」「カンガルーはもうすぐ冬寒いかな?」「お月様また太ってきたね」などなどの語りかけに、否応無く世界や地球や宇宙を意識しながら生活している。
目の前のことに必死になりかけた時、この俯瞰した視点はふっと心を解放してくれている。

ハマったもの③:ロケット・スペースシャトル

きっかけはホリエモンロケット(MOMO2号)打ち上げ。
残念ながら失敗に終わった打ち上げだけど、その動画を見た長男になぜかクリーンヒット。(多分、「火」⇨「消防」の回路)
初めて見たロケットの打ち上げが失敗だったものだから、「ロケットはヒューンって飛んでドーーンって落ちるんだ!」とインプットされてしまった。

「そうではないんだよ」を教えるために、成功例をいくつも一緒に見るうちに、打ち上げ・宇宙滞在・帰還の興奮と感動に私までどっぷりハマっていった。
タイミングよくヒューストンの親戚宅を訪れる機会があり、ヒューストンスペースセンター観光したのをきっかけにさらに加速。
帰宅後は、家族でNASA Tシャツを着てお土産の宇宙食を食べながら、「アポロ13」を見て手に汗握り、スタンディングオベーションを送っている。
(「First man」もダメもとで3歳児づれ劇場鑑賞を企み中。)
もちろんMOMO3号の打ち上げも家族揃って楽しみにしている。
延期になった30日は、関係ないけどNASA Tシャツ着て、宇宙モードでスタンバイしていた。(今日もその予定)

ホリエモンロケットのニュースも、私が一人で見ていたなら「ふーん。残念だったね」で終わったに違いない。
でも、好奇心と探究心の塊がすぐそばにいてくれたお陰で、すっかり狭まっていた私の視野は宇宙にまで広がった。
宇宙飛行士にはならないまでも、なんとかうっかり宇宙旅行できちゃったりしないかなと夢みたりもしている。
息子たちの時代には、億万長者じゃなくても宇宙旅行できるかもしれない。
ワクワクかない。

子供の好奇心ブレーキをかけず、むしろ巻き込まれてみる

子供の好奇心の対象なんて、正直将来なんの役に立つの?ってことばかり。
親が知らずに平気で生きていられることに、ものすごい勢いで「なんで?」をぶつけてくる。
全部答えるのは面倒なこともあるし、わからないことだってあって、「わからない」ってちょっと言いたくない気持ちも正直ある。

でも、親のしょうもないプライド(しかもただの無知による)でごまかしてやり過ごしたり、その話から遠ざかろうとすることはとても勿体無いなと。
大人になる途中で錆びついてしまったまっすぐな好奇心こそ、子供の可能性が無限大である所以だと思うから。
だったら、その好奇心に便乗して自分自身の可能性も広げしまえばいい。
子供の感性に共感しているうちに、自分の感受性も豊かになっていく。

人生はやり直せないけど、置き忘れたものを子供と一緒に取り戻すことができそうな予感でいっぱいの令和元日。
新しい日々を、子供の好奇心とともに。



※今、息子が新たに興味を持っているのは、「カエルの飼育」。
夫と何やらこそこそカエルの変態について話し合っている。
この文脈からしたら、一緒になって盛り上がるのが吉!なんだろうけど、この世で一番カエルが苦手な私・・・。
写真で見るのも、なんなら活字で見るのも苦手。
(自分で書いていて直視できてない)
さあどうする?
新しい世界を開くのか・・・?


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