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《自作自延》 もう1つの物語たち

あれは中2か中3の時だったと思う。
塾をさぼって友達と銀座で「ユージュアルサスペクツ」を観終えた後に、あまりに興奮さめやらず、近くの喫茶店で語り合った。映画のなかで物語は言い尽くされているのだけど、作り手はこんな狙いをしていたのでは?この人とこの人の声が似ているからこのキャスティングでは?そんな話で盛り上がった。
そうしたら突然、横から話しかけられた。「この映画を公開している会社のものです。聞いていてごめん。感想すごくうれしかった。でもこの映画の肝心なところに触れそうだったから、話しかけたよ」
「ネタバレ」なんて言葉もまだ無い時代、「アッ」と恥じつつ、「感想は、届くことがある」と初めて体感した時だった。
(もし、まだ観たことが無い方、幸せです。この映画以上に「そこを話したら終わり」な映画は無いと思います。Netflixにもありました。ぜひ↓)

https://www.netflix.com/jp/title/1084379

あれから20数年。いまや番組を作ると、ブログで、SNSで、感想をたくさん頂けるようになった。感想は、届く。特に僕はエゴサーチの鬼なので、テレビは放送される時間から検索しまくっているし、昨年やった舞台もどこまでも感想を追いかけた。うれしい感想、厳しい感想、どれも本当にありがたく。心の底に届きまくっております。

そんな中でも、最も感想を多く頂けた番組が2019年1月29日初回放送の
「アナザーストーリーズ 羽生結弦オリンピック連覇」。

どの番組にも等しく力を込めているけれど、この番組以上に反響頂いたものは未だ無く。
その反響を糧にして、2022年1月15日、異例の再編集版を放送することに。
初回放送から3年経っての再編集。
吹き替えのお3方に新しく録り下ろしさせていただく。
濱田岳さんにも、特別にナレーションを頂いて。
いずれも異例のこと。
それはもちろん、北京五輪が近づいたから、ではあり、
そして何より羽生選手が3年経っても(五輪連覇からは4年が経っても)
誰も見果てぬ最前線の地平へ踏み出しているからではあるのですが。
しかしそこにもう1つ、視聴者の皆さんの反響が無ければ、今回の特別編集版は決して有り得なかったと思います。
本当に、心から、感謝します。

そんな感謝を、放送後半年経った時と、初めて地上波放送になった時に、
2つのnoteに書きました。

そして今。
書いているこの文は上記2つのnoteをお読みになって、もしももしも「もうすこし」読みたいというありがたい方に向けて、あえて途中から「有料」で書くものです。前の2つのnote、そして何より番組ですべてを語ったつもりですので、あくまで勝手なる「延長戦」です。なぜそのようなものを書くかについては少し呟きもしましたが、、

制作費の低下と、「若者のテレビ離れ」(若者が、テレビで、働かなくなる)に対するほんの少しの抗いの思いがあります。どのくらい読んで頂けるかは分かりませんが、自作を自分で延長するから《自作自延》。前置き長くなりましたがどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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