阿部修英 Nobuhide ABE

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最近の記事

みて、とどける人。

見届ける。 この言葉に昔、不思議さを感じた。 見ると、届ける。それが合わさるとはどういうことだろう。 そんなテーマで、小5のときに作文も書いたことがある。 言葉についての作文だったけれど、担任の先生にもっとことわざとか四字熟語とかを選びなさいと言われたのが、今につながる反骨の心の芽生えだと記憶している。前の席の男子が「一石二鳥」と同じ意味のことわざはこのぐらいたくさんあります、と調べ上げて褒められていた。今ならAIが0.001秒で諸外国語まで調べてくれるものだ。 さて

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    • unforgettable year 2023  

      最初に記します。これは、あまりに多くのことがあった2023年の大晦日、 2023年の総括として書いている、長い長いnoteです。 普段の、分析や、裏話とはかなり違うため、 あえてお読み頂く「必要」は、ないかと思います。 ただもし、作り手としての僕を見続けてくださる方がいらっしゃるなら、 お読みいただければ、と思います。 では、始めます。 =================================ー 心を亡くすと書いて、「忘」。 心を亡くすと書いて、「忙」。 202

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      • 妄想と、想像と、嘘と。

        年末である。師走と書く。師ではないけれど、ぼくも異常にいそがしい。今年の11月に、あることをきっかけに「いそがしいことを言い訳にしない」、と決めたから、必死で手を動かしている。noteを書いている時間があるのなら仕事をしなければならないのだぞ・・・と思いつつ、しかし、ある投稿を見て、ぼくは筆を取らざるを得ない思いに立たされた。 この人は、よほどのことがなければ、こんな言葉は吐かない。 記者会見ではどんな質問にもまっすぐ向き合い、記者との対話から自身の深部を抉り出して語って

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        • いま、僕はとても怒っている。あるニュースに触れて。 この思いをどうしようと思って、ここに筆を執った。 大嫌いな言葉がある。 「有名税」というやつだ。 有名にしてやったのだから、ちょっとぐらいの騒ぎは我慢しろ。 有名になったのだから、無名の人の興味関心には応えろ。 タチの悪いひとになると、「知る権利」を振りかざす輩もいる。 だが、誰が誰と結婚したとか、被害者の誰がどんな被害を受けたのかとか、そういうことを暴くことの何が「権利」なのか。それは単なる悪趣味でしかない。 スターは

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          リアリティとライフ

          (これはRE_PRAYについての「続き」のnoteです。よろしければ前半をお読みになった上でお読みください) 2023年11月4日、さいたまスーパーアリーナで僕は「RE_PRAY」を見た。このタイトルを聞いた時、こう呟いた。 ゲームがテーマだからPLAYと思いきや、PRAY=祈る。 一体この「祈る」というテーマはどのように表現されるのだろう。 そんな期待も抱いて向かった今日(このnoteは見た当日、興奮冷めやらぬままに電車の中で書き続けている)。いま抱く思いは、「これはP

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          ライフとリアリティ

          このnoteはさいたまスーパーアリーナで、世界初のものの世界初演を見終えた興奮のまま書いている。興奮のまま、と書いたが本当に興奮している。その興奮は2種類ある。 ひとつは肉体的興奮だ。今回は東京ドームの時と違って1度きりのものではないため、ネタバレを避けつつ興奮を抑えずに書くと、あなたが人生かけて通い詰めたレストランに行った時にだけ経験できる「アレ」がやってくる。最後の最後に、サービスです、サービスです、とこれでもか、これでもか、と美味しくてたまらないデザートがやってくるのだ

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          再祈

          (これは、9/1帰りの電車の中でスマホで打った、  376字の「コメント」の解題です。  376字に込められたあまりの熱量に呼応して、書きます。  のっけから、有料で恐縮です)

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          Receiving GIFT 收到GIFT

          Have you ever stared at the grass in the field? If so, when? As you grow taller, the grass becomes something to step on instead of something to wade through, and eventually, as you get older, you don't go to the grass itself. Yes, it is lim

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          Receiving GIFT 收到GIFT

          サン=テグジュペリは言った

          冠婚葬祭、と一口に言う。 人が人生のなかで迎える、特別な時としての4つ。 冠=元服。成人の儀。 婚=結婚。 葬=葬儀。 祭=祖先を祭ること。 この中で、成人の儀と祖先祭祀は現代になってすっかり形骸化した。 (就職面接と遺産相続という生々しいものがその代わりになって久しい) 残ったのは結婚と葬儀。 ただ葬儀は、自分の葬儀を見ることはできない。 いま、人生を生きている中で、自分が目にすることのできる大きな節目は、 結婚だけだ。 でも現代、結婚しない人も多い。 50歳時の未婚率は

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          サン=テグジュペリは言った

          ALL IN or...(GIFTの15分によせて)

          テクノロジーが進歩し、帯域がはるかはるか広がって、通信の距離も密度も上がっていることで、誰もが世界中のコンテンツに触れられるようになった。かつては、自分が住む島のなかで取れる果実と、世界中の島に果実を届けることができる”大砲”を持つ国からの果実しか見られなかった。けれどいまは、どの島からも、世界に向けて果実を届けることはできるようになった。どの島からも、世界中でつくられた果実を味わうことができるようになった。もう、ハリウッドコンテンツだけに縛られる時代ではないのは、アニメ界の

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          ALL IN or...(GIFTの15分によせて)

          GIFT is...から...is GIFTへ

          ルナ・レインボウ。 ムーンボウとも言う。「月の虹」。 この月の虹は、目で見ると、白い1本の細い線となる。 白い線はとても神秘的で、たとえばハワイの人々はそれを神がもたらすものとし、祈りを捧げたり、願い事を告げたりする。その白は、儚くて、でもその儚さが尊くて。生で見届ける時にしか見られないものだ。 以前、コスタリカの山岳ガイドから聞いた話だけど、満月の時、雲海の上に月の虹が出る、その風景を、現地の人は「天の頂がひっくり返って地上に現れた」と思うそうだ。 儚くて尊いものは、人

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          一人になんてさせやしない

          「渇いた」と「乾いた」は同じ読みだけれど、ちがう。 水を出し切って渇くのと、日照られて乾くのと。 前者はやり切った感と、だからこその次への「渇望」があるのに対し、 後者はつらくて、こころがあせる。(乾燥の「燥」は落ち着かない、と言う意味だ) 6月は梅雨時だけれど、ぼくは「渇き」と「乾き」の両方を抱えていた。 今年から来年にかけては、確実にぼくの人生が変わる、はずの年になる。 それは、いつかは告知したい、大きな仕事「2つ」があるからなのだけど、 その2つが6月、「渇き」と「乾

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          1年に1度と、究極の「王道」と

          むかしから、4年ごとにやってくるものに、心惹かれている。 オリンピック。 サッカーのワールドカップ。 番組でも何度もテーマにした。 4年というのは、19歳が23歳に、そして23歳が27歳に、 27歳が31歳になるもので、31歳が35歳になるもので、 その年齢による身体と精神の変化を、 4年に1度のピークに合わせないといけないことが どれだけ難しいか。 かつて伊藤みどりさんにインタビューした時に仰っていたけれど、 「11時50分でもいけないし、12時10分でもいけない。 12時

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          壁に記すことと、本に記すことと。

          火山の噴火で1日にして消えたポンペイの街は、訪れた者にあまりに多くのことを思わせる。ただ、あまりに有名な「観光地」でもあるから、あまたの本や番組で行く前に知り過ぎていて、崩れた家や、逃げ遅れた人々の形・・・悲惨な爪痕の多くに、かなしいかな、既視感を抱いてしまうこともある。 そんな中、ふいに見かけて強く心打たれたのは、壁に記された「言葉」たちだった。当時行われた選挙のポスターであったり。あるいはほんの些細な「誰々が来た」とだけ書かれた落書きであったり。その言葉たちは、いつか消

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          壁に記すことと、本に記すことと。

          創作の悪魔(と、その「倒し方」)

          4月6日夕方、僕は渋谷で行われていた歓迎会を1時間半で抜け出した。歓迎の機会はまたあるから許して欲しい、と言って。足早に向かったのは新横浜。アイスショウを観るために渋谷の街を急ぎ駆け抜け電車に乗ったのは、観られるタイミングと、観たい気持ちと、観たらどうなるのかという不安まじりのワクワクがあったからだ。 アイスショウを見るのは5度目。 しかし今回が特別なのは、本当は見るはずのなかったものだということ。 それでも当日券がある!という僥倖の情報を得て、いてもたってもいられなくなっ

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          創作の悪魔(と、その「倒し方」)

          (超私的)GIFTのみかた

          2023年の2月から3月にかけては、なんの誇張もなく「殺人的」だった。基本的に、自分の渾身の企画か、自分もやりたくてたまらない企画に誘われて、の仕事しかしない贅沢な状態でこの10年ぐらいやって来られたのだけれど、その間に最もお世話になった方からの依頼で、ある特大の案件を急遽、請け負った。これが、携わる人の多さ、はじめましての人の多さ、調整すべき各所の多さ、その割に急に来たのでスタッフのすくなさ、そして圧倒的な時間のすくなさなどもあって、とにかく迷路の道がどんどん崩れる中をゴー

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          (超私的)GIFTのみかた