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ハヤカワのTシャツ #捨てられないモノ語り vol.1

今回の語り手は、長らく愛用していたTシャツとジーパンを手放すことにしたハヤカワ。思い出を語るうちに、着るものへのこだわりが見えてきた。
聞き手:コムロマホ 撮影:ミネオハルキ


コムロ(以下コ):これいつ買ったの?
ハヤカワ(以下ハ):俺じゃなくて、父親が買ったんだよ。高校か…大学入ってからかな?お腹がパンパンで「着られへんかったわ~」っていうから貰った。
普段ジーパンをよく履くんだけど、上の色が強いと1枚でサマになるから気に入ってたね。素材が柔らかくて、ダルく着れるから寝間着にもしてた。値段は2000円くらいじゃない?それで100回は着てるはず。

襟元が破れるまで着たキースヘリングのイラストT

:ハヤカワ自身が、Tシャツ1枚でサマになるよね。
:キャップとね!いつもTシャツ、ジーパンにキャップ。この前後輩に「背伸びしてない感じがおしゃれです!似合うものが分かってる」って言われた。煽ってんのかな?とも思ったけど、ありがたいね。服に無頓着というか、着たくないものが多くて着たいものはないから。

:黒いパンツは珍しいけど、これも捨てるの。
:これはうなぎ屋でバイトしてた時によく履いてたもの。厨房でよくぶつかる所に穴開いてるの。うなぎの匂いがしてた時もあったんだよ。あと俺のジーパン、どれも内くるぶしに穴が空くんだよね。相当タフな歩き方してんのよ。

歩く時に両足のくるぶしが擦れて穴が空くらしい

:いつから自分で服選んでた?
:昔から着たくないものがめちゃくちゃ多かったからな~。母親がよく買ってきてくれたけど、ダサいやつは着たくなくて、いつもわがまま言ってたよ。中学生の頃、虹色のTシャツをかっけえと思ってよく着てて、友達に「ファッショニスタ」ってイジられてた。お前らがダサいんだよ、と思ってたけど(笑)。

:最近は、服は着心地で選んでる。古着をよく着る理由もそれかな。「オシャレは我慢」の真逆! それが背伸びしてない、みたいなところに繋がってるのかも。

「捨てられない」きっかけも語ってくれた

:小さいころよく履いてた靴を捨てるって時に、母親に「バイバイしな!」って言われて。なんだよそれ、履けなくなったものを捨てるだけじゃんと思ってしなかったんだけど。ゴミ捨て場から回収された後に「うわ、バイバイくらい言えばよかった」って思ってさ。それだな、俺がモノを捨てられない理由のひとつ。


普段着として、寝巻きとして、ある時はライブ衣装としても活躍した今回のTシャツ。最後は愛用のギターと一緒に写真に収めた。何度も着ている服ほど、身体に馴染んで着心地が良いというハヤカワが、くたくたに育てあげた一張羅は、2023年の冷え込みに伴い役目を終えた。

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