生まれ変わるなら ～意味深な話～

オレの名前は御手洗リュウジ。
生まれたときからオレの運命は決まっている。ある特定の任務をこなすためだけに与えられた命。そういっても過言ではない。

オレの任務は重大だ。オレがいなくなると多くの人が困惑するだろう。だから、オレは24時間体制で待機しているんだ。え？大変じゃないかって？そりゃあ大変さ。だが、頼ってくれる人のことを思えば大したことはないさ。そんなことより、気になることがあるんだ。エコロジーについてだ。

エコロジーを目的に生み出された、オレのような芯のないトイレットペーパーは本当にエコなのかって事だ。オレはまだイケると思っているが、途中で交換されてしまうことが多いんだ。最後まで使えることが売りだったはずなのに。オレは、それが残念でならない。そりゃあ、最後の最後には若干固くなってしまうことについては否定しない。オレは誰も傷をつけたくないから、そこまで活かしてくれたならば本望だ。その時は、一緒に流してくれればいい。それで満足だ。

しかし、途中で交換されてしまうことがほとんどのオレは、芯のあるトイレットペーパーの方が使いきってくれる可能性が高いのではないか？つまり、ある意味芯のある方が、エコなのではないだろうか？と思ってしまうのだ。

だから、次に生まれ変わる時は、ちゃんと使いきってもらえる"芯"のあるヤツになりたい。そして、新しくこの世に生み出されたならば、改名しようと思っている。

オレの名前は御手洗流紙。お見知りおきを。

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