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23年間ドイツ車に乗っていた僕が軽自動車に乗り替えした話(その1)

ドイツ車といえば、重厚そして質実剛健。一方で、軽自動車はその名の通り、軽くて、日常の足、便利アイテム。23年間ドイツ車に乗っていた僕が、まるで性格の異なる軽自動車へ乗り換えた理由とは

故徳大寺氏に洗脳され

 1990年代に、故徳大寺有恒氏の書籍「間違いだらけの車選び」を愛読していた、20代前半の僕はドイツ車、とくにフォルクスワーゲンゴルフを崇拝すべきと、インプットされ続けてきました。

 当時、日本国内の車種別売上ランキングは、たしか、1位:カローラ、2位:マークⅡ、3位:クラウンという時代。同氏のゴルフの褒めっぷりは、それは、べた褒めで、ゴルフにあって、カローラにないものそれは「哲学」だ。なんていう言葉に「うんうん、なるほどね」とドイツ車(ゴルフ)って、素晴らしいんだと思ったものです。

とはいえ、いざ車を買おうと思ったときに、当然ゴルフは、第一候補にはあがったものの、当時のゴルフ3は、地味なフォルムだし、装備にしてもパワステ、パワーウインドウもついていないような貧弱な装備のくせに、YANASEでは結構な値段で販売されていて、さすがに購入に踏み切れなかった。

そうして買ったのは、欧州車になりたい日本車、日産プリメーラ。この車に数年乗り、いよいよ1998年、ゴルフ4が日本でも発売になり、たまたま見に行ったディーラーで、今までとは違って豪華になって、装備も充実した「ドイツ車」をみて、即、購入を決意。

 以来、2006年にゴルフ5、2015年に豪華になりすぎたゴルフ7を横目に、ポロへと乗り継ぎ、2021年、23年乗り続けてきたフォルクスワーゲンから、質実剛健とは正反対?の軽自動車に乗り換えるに至った、顛末と軽自動車の感想などを綴っていこうと思います。

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輸入車の維持費とライフスタイル

 ひとことでいうと、「維持費を下げたかった」というのが、買い替えた理由。
 今乗っているポロは、2022年4月に3回目の車検を迎えます。走行距離自体は3万5千キロくらいなので、すくないほうなんですが、ちょうどこの年数くらいから、いろいろと部品のガタが来るかつ、フォルクスワーゲンのそういった部品の交換費用が実に高い。

 おそらく、どんな部品とっても国産メーカーの2倍はかかる。そして車検ともなると、「いまはだいじょうぶですが、そろそろ替えたほうが良い部品ありますよ」といって、高額な見積もりを見せられ、それら、ひとつずつ取捨選択しても20万~30万くらいの費用がかかることが、過去の経験から明らか。今年から大学生になる子がいる家庭にはなかなか厳しい出費。

 そもそも、このタイミングで、ここ数年の自らのカーライフスタイルを回顧してみると、妻と二人で近場の買い物用途、コロナ禍での週2−3回の通勤利用、たまに趣味の撮影ドライブ(割と近場)。このような利用スタイルにおいて、果たして、(維持費がかかる)ドイツ車を乗り回す必要があるのか?

買い物はネットで済ませて、通勤も公共交通機関にして、趣味の写真撮影や家族旅行で必要なときにレンタカーで、その写真撮影自体も街スナップ中心になっていて、徒歩ベースのほうが良い写真が撮れたりすることに気づき。

 いっそのこと、車自体を手放すことも検討しました。ただ、コロナ禍で、公共交通機関主体の生活に切り替える踏ん切りがつかない、だとしたら車は潔く、足と割り切って軽自動車に替えてしまおうという決意に至った次第。

ドイツ車の哲学とは

ドイツ車(フォルクスワーゲン車)、いちいち、機能が理にかなっているというか、奥深い。

たとえば、環境に対する考え方。

●ゴルフ3くらいから、環境に配慮しているらしく、部品のほぼ100%がリサイクル可能なものだった。

●車の取説に、環境のために「暖気はしないでくれ」と書いてある、それまでの国産車は「暖気してください」と書いてある。まるで発想が違う。

●ワイパーは、廃棄物を減らすために夏冬兼用で使えて、耐久性もある。

●オイルは、廃棄による環境汚染を防ぐために、2年(または3万キロ)使えるものを推奨。

●ペットボトルではなく、再利用できる瓶の普及率が高いお国柄(らしい)のため、車に栓抜きが標準装備されている。

●トルクコンバーターのオイルを使わないDSGという自動MT機構のトランスミッション採用

機能や利便性は日本車のほうが、おそらく優れているはず(これから検証ですが)、前述の徳大寺さんの「哲学がちがう」って、こういうことなんだなと思います。

走りについては、低速域でゴツゴツしている反面、高速域での安定度が、すばらしい。気持ちよかった。240−260キロまで刻まれているスピードメーターの半分くらいの速度でも安心して走れる直進安定性。

そういったドイツ車イズムをもっていたポロ、良かったんです。インパネ、ダッシュボードまわりも、飾り気がなく、機能性があり、至ってシンプル。
ところが、ゴルフもゴルフ7くらいから、日本車といい勝負あるいは、それを超えるくらい、高級豪華路線へ。


NEWポロについても、リトルゴルフなので、同じく、高級豪華路線へ。とはいえ、欧州のCO2規制の影響もあるのか、エンジンは1000ccの3気筒。3気筒って軽自動車のエンジンと同じ?とおもいながら、ディーラーで試乗させてもらうと、案の定、パワーもないし、フィーリングもいまいち。
インパネも液晶ディスプレイが内蔵されているような今どきのデジタル路線。

それをやっちゃうと、電気に弱いフォルクスワーゲン車、トラブル続出だよなぁ。とおもうと、むしろ不安要素のほうが大きく、買い替え意欲沸かず。

そして、決定打は、この問題。素晴らしい哲学を持っていたはずのフォルクスワーゲン社も、結局の所、利益重視の姿勢?環境に優しかったんじゃないの?この事件は、僕をとてもがっかり、失望させる事件でした。
https://www.mlit.go.jp/common/001108921.pdf

心酔していたはずの哲学とはどこへ・・・

そしてハスラー

 購入したのは、スズキのハスラー(2代目)。軽自動車のことはほとんど調べたことがなく、購入するならスタイルのみの一目惚れで、ハスラーでした。
 ジムニーにも少し惹かれたんですが、ジムニーはあくまでもオフロードユース、4速ATや二人乗り前提の室内空間は、さすがに自分のライフスタイルにはあわない。
 かといって、NBOXやスペーシアといったハイトワゴン系の車にはどうしても興味がわかず、競合すると思われるダイハツタフトもスタイルが好みじゃないので、ハスラー一択でした。

これから、フォルクスワーゲン車とハスラーの良い面、悪い面を、正直ベースで比較レポートしていこうと思います。

つづく。

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