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ピアスタッフはつらいよ

先日、書いた「ボラ辞めました」が今までにないビューとなっていて少し驚いています。
それだけ共感してくれる人が多かったのかなと思う反面、日本のボラ病がいかに深刻か改めて考えている。
ま…いずれ別の機会に書くと思います。

さて、僕は元ピアスタッフがあるピアサポーターですがもうピアスタッフに戻ることはないタイプです。
以前ここに綴っていたロケット&サブマリンではピアスタッフになったところで区切っていますが
実際はそれからの方が次々と厄介なことが起きていました。
それもスタッフとの軋轢ばかり。
結局、アパレルだろうが本屋だろうが悩みのタネは常に人間関係。


ちなみに最初にピアスタッフとして働いていた施設において僕の役割は
「しゃべる招き猫」と自嘲気味に伝えておきます。
ぶっちゃけペッパーくんで良くね?みたいな。

最低賃金が1千円だったので週20時間でだいたい8万円。そこに12ヶ月をかけると…ペッパーくん買うのと変わらないわけです。
受付でぼーっとカウンター周りを片付けながら(きっちりやると明日やることなくなるから雑)

いつ来るかわからない利用者を待っているならペッパーくんを置いておけば済むなァ…とよく思っていた。
おかげで利用者さんの方が話しかけてくれて距離は縮まったから良かったけどね。

よくピアスタッフは利用者に救われたなんて話を聞くけれどこういうことなのかもしれない。

その後、僕はいったんピアサポーターに戻って色んな人に会ったり色んな場所でピア見聞をしながら

「そもそもピアサポートってなんだ?」というところから組み立て直しました。

たぶんどこかで驕りがあったと思うんです。

ピアスタッフはとても数が少ない上に通所先で雇用されるケースが多いので(一本釣りなんて表現をします)就労移行支援事業所で信念を貫き通してピアスタッフになったというだけで周りからもてはやされることもあったので。

無意識的に選民思想みたいになっていたような気がしている。

うわー嫌な奴だねー…

そういう反省をしつつ自分のやりたいピアサポートを模索していたところ仲間を通じて地域活動支援センターの非常勤に誘われて僕は2度目のピアスタッフを経験した。

採用直後にコロナ禍がやってきたので調子が狂った部分もあったけれど辛酸を舐めながら苦虫を噛み潰して煮え湯で飲み干していた時期に比べたらなんてことはなく。

良くも悪くも図太くなっていたのもあってそこまで大変じゃなかったかな。

最初は…。

結局、ここでもスタッフとの軋轢が生まれて…というとまるで僕が問題児みたいになってしまうけれど

そういうことではなくてピアという感覚のズレがどうしても歪を生んでしまうのだと思う。

例えば就労にしてもよほど寛解していないと障害者雇用で生活保護費を上回ることはできない。

そうなると働く理由を明確に描くことが必要になるけれどそこは割とうっちゃらかしていて。

僕は働いてようやく社会復帰という考え方がとても嫌いというか…反吐が出る。

僕にとって社会復帰ってのは生きる希望を見つけることであって就労は一つの選択肢みたいなものだと思っているので「とりあえず就労」というスタンスが全く理解できない。

結果としてぶつかるわけです。はい。

平たく言うと職員はアリを育てたい。

僕はキリギリスでもいいんじゃない?ってな感じ。

いつか働きたくなったら働けばいいんだから。

少なくとも童話と違って越冬できないなんてことはないし働いたら働いたで大変なことも増えるから良いことばかりじゃない。

そのへんの感覚がわからないだけなのか頭が固いだけなのかわからないけどね。

とにかく一事が万事こんな感じでズレているのでだんだん居心地が悪くなってきた。

そうなってくると僕自身のメンタルヘルスを保つことを最優先にしないと僕の生活が崩壊する。

だから僕はとっとと辞めることにした。

結局、ピアスタッフが普及しない原因は支援者側によるところが大きいような気がする…。


こうして僕は再びピアサポーターとして活動を続ける道を今も歩いている。

僕はもうよほどのことがない限りピアスタッフに戻る気はない。

ものすごくつまらないんだもん。

ピアスタッフというのは専門職では難しい精神障害者の気持ちや感覚を共有できるから必要なのであって

専門職と同じことをする必要はないと思う。

もし同じことをしたいなら精神保健福祉士なり社会福祉士を取得すればいい。

僕も一時期はそのつもりで貯金していた。

けれど専門職は試験さえ通れば誰でもなれるのに対してピアスタッフは違う。

一人ひとりが異なる経験を用いることで相互作用によって化学反応が起こる。

それが本来、求められているピアスタッフだと僕は思っている。

けれど現実はそうじゃない。

だったら経済的安定を捨てて障害があっても楽しい人生を送ることはできるよーと感じてもらうためのピアサポート活動をしようと腹をくくった。

その一つが「あいりき」という活動。

思い切り噛み砕くと精神障害者支援に恋愛面も必要なのではないかという研究の中にあるプログラム。

おそらく前代未聞だし恋愛礼賛でも恋愛至上主義でもなく「真面目に考えて話し合う」というところが僕も大切だと思っているのでずっと関わっている。

それとは別に在宅支援と余暇支援としてオンラインフリースペースを仲間と立ち上げて遊ぶことや楽しいことを増やすきっかけ作りの場を2021年の2月から始めた。

例えば遊んだり恋愛をしたら多かれ少なかれお金が必要になる。

これが働く動機になると僕は思っているし動機が見つかると自然と働く気にもなる。

ゲーム機が欲しい、テーマパークに行きたい、婚活がしたい…と人それぞれだけど明確な目標にもなるので呪文のように「はたらけーはたらけー」と言われ続けてるより効果的じゃないかなぁと思う。


もし僕が3度目のピアスタッフをやるとしたら

「アリとキリギリス」の2択ではなくて

「アリもキリギリスも」の両立を大切にしてくれるところと出会えたときだろうなぁと思います。

うーん…そう思うとピアスタッフってやっぱり大変だな。

ほんとに苦しい仕事なんだよなぁ…

根本的な問題はやはり精神保健福祉のゆがみですね。

ってなわけで今回はこの辺で。

ではではアディオース!










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