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第二十四候 麦秋至(むぎのときいたる)

真鴨は春に北へ帰る。

遠く姿を遥(はる)かせる。

どこへ帰るか。

どこに帰り、どこに居るか。

何を見、何を思って暮らすか。

遠く独り*で、私は決められるだろうか。

軽鴨は春に北に帰らない。

近く姿を悠(はる)かせる。


*独り:「そうだ、僕はずっと、ずっと、ずっと、「独り」だった。そのことが体の隅々まで冷たい液体が流れてゆくように僕を満たした。静かだった」梨木香歩『沼地のある森を抜けて』96/100%地点




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第二十四候 麦秋至(むぎのときいたる)
5月31日〜6月5日頃

麦が実りのときを迎える時期
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参考書籍:
山下 景子(2013年)『二十四節気と七十二候の季節手帖』成美堂出版https://www.seibidoshuppan.co.jp/product/9784415314846

(初夏、小満・末候、第二十四候 麦秋至(むぎのときいたる))

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