一日ネカフェで漫画を読んだ話+α

こんにちは。いよいよ仕事への復帰が目前に迫っており、日常を取り戻すべく早寝早起きに取り組んでいますが、何もすることがないと寝てばかりいていけねえ……

ということで労働の代わりに丸一日読書でもするか!と思い、図書館に行くことを考案したのですが、活字が頭に入ってきにくいお年頃になってしまったのでネカフェに行ってきました。せっかくたくさん漫画を読んだので、ついでに最近節操なくKindleはじめ多数のネット媒体で買って読んでた漫画の感想をまとめておこうと思います。そこまでガッツリ各作品への本筋に触れてはいませんが、ネタバレには配慮しきれておりませんので注意。

BEASTARS

多種多様の動物たちが現代風の社会で生活する中で、「肉食」「草食」という本来相容れないであろう本能と向き合い続ける話。現実社会においても男女の壁とか人種差別とか性犯罪の闇とか結構あるよななァ……と思うのですが、本能的にそこら辺にいる人を食いたくなるほどの衝動っていうのはさすがに理解できないので、この社会で生きる肉食獣たちはどれほどの理性を要求されるんだろう、と思うと結構ハードですよね。理性を求められる社会では力をふるう側のほうが実際立場が弱いみたいな部分が結構あると思っているんですが、肉食動物のそういう側面が描かれてて現実的だなと思いました。

食欲だけじゃなくて体の大きさとか力具合とかの差も著しいので、生きてるだけで簡単に他者を傷つける可能性がある社会の話は結構読んでてハラハラしました。とてもじゃないけど心穏やかに暮らせなそうだ。
そんな社会で自分の中の正義と愛を貫くのは並大抵のことではないと思うのですが主人公のレゴシくんはそれをやってのけるんだなァ……生きざまとしてかっこいいですね。回を重ねるごとにボロボロになっていくのですが、命削ってでも信念をもって生きられるってすごい。自分が持ってないものなので胸はちょっと痛い。

あと海洋生物の思想というか生き方をもっと読みたかったです。独特な死生観により命というものに縛られすぎない生き方ができそう。サグワンさんがいちばん見てて安心するのですき。

明日、私は誰かのカノジョ

レンタル彼女、パパ活女子、ホスト通いのデリヘル嬢等々……なんて言ったらいいんでしょう?一筋縄ではいかない系の女子とでもいえばいいのだろうか。男女観とお金と美に基づく女性たちの悲喜交交……で合ってる?

正直なところ、あまり面識のある世界の話ではないので、読了感としては「そういう世界に面白半分に首突っ込んで覗き込んだった」感が否めない。どういう因果かわからないけれどお金を対価に自分の身体を差し出す機会というものには巡り合わずに生きてきて、身近でそういう人から話を聴く機会もないので、こういうのもあるんだろうな、と思いながらあまり現実味を持てずに読んでいた。
でも恋愛脳になると理性で歯止めが利かなくなるみたいなのは心当たりがあるので、四章の萌ちゃんの話が一番心に来ました。化粧やファッションに気を遣ったらものすごく様変わりしたのに、結局最終的にはもとの萌ちゃんに戻ってたのは個人的にはうれしかった。

男性と添い遂げることが女の幸せとは限らないんだなあ……というのは昨今当たり前の価値観として認識されているかなと思いますが、自分の力で生きようとするそれぞれの女性たちの強さは眩しかったです。微妙に噛み合わない友情とか、推し活の心苦しさとか、いろいろ生々しくて心に来たけど。

エマ

メイドさんとかヴィクトリアンお衣装とか見てて楽しく、基本的に絵面が穏やかで、でも話というか身分制度は重い。そんな舞台の身分違いの恋物語。
友人が持ってたのでいつか読もうと気になってはいたんですが、こんなガッツリ恋愛ものだと思ってなかったのでちょっとびっくりした。

すれ違いになってエマさんがロンドンを去ってから、これこの調子で二人の恋は成立するのか???再会絶望じゃね????と思ったけれど人の縁とは奇なるものですね。意外とあっさりアメリカ送りになっても見つけ出せたりするあたりそんな簡単にいくのか!?と思ったり、なんか気が付いたら唐突に本編終わってる……と思ったりもしたけれど、番外編最後の結婚式が非常に幸せそうだったので全部なんかもうよかったねってなった。よかったね。あとネットでよく見る「なんでそう変な方向にばかり思い切りがいいのよ!!」が唐突にでてきたので本編の印象はそれに全部持っていかれた。あなたでしたか。

メルダース夫妻が結婚して8年半たってもお熱いさまがうらやましかった。あとフリーダムすぎるハキム王子がすき。

シャーリー

エマと同じく森薫先生のメイド漫画。登場人物が基本的に女主人ベネットさんとメイドのシャーリーちゃんで完結しているので読みやすかった。優秀で健気、年相応の子供らしさのあるシャーリーちゃんは素直にかわいく、またこの難しかろう時代に一人で身を立てているベネットさんはかっこよく、素敵な女性とかわいい女の子がいろいろありながらも二人で暮らしている様は素敵ですね……ってなった。もっと読みてえ。

カラオケ行こ!

合唱部の部長をしている少年・岡君がヤクザの狂児さんに歌の指導を頼まれて一緒にカラオケ行く話。
温度の低いツッコミが好きなのでモノローグで独り言ちる岡君は正直めっちゃ好きです。嫌がりながら真面目に歌指導してくれるしなんだかんだ狂児さんのこと好きなんだな(変な意味ではない)と思うとホッコリする。果たしてこの漫画を読んだ読了感がホッコリで正しいのかはわからない。読んでみてください。あとなんか実写映画化するみたいですね。

女の園の庭

カラオケ行こ!と同じく和山やま先生の漫画。というかこっちのほうが有名でしょうかね。過去に姉に勧められて読んだけど改めて自分で買いました。

女子高の教師である星先生の日常の話。モノローグで独り言ちるツッコミは好きですが、星先生が一人で延々と考えてボケに自分でツッコミ入れる様はもっと好きです。でも登場人物としてはオンオフの温度差が激しすぎる小林先生のほうがすき。
あと女子高生たちの空気感は何となく懐かしい気持ちになる女子高出身者。こんなに教師との距離感近くなかったけど。

和山先生の、書き込み量が多く、画面に動きがありすぎない絵柄がわりと好きです。

鍋に弾丸を受けながら

愛読ブログ(https://mangashokudo.net/)で再現記事があったので気になって買いました。基本的に原作者の実体験を基にしたノンフィクションなのに、「原作者の脳が長年の二次元過剰摂取により壊れているので、五感を通して見た世界に美少女しかいない」とかいうぶっ飛んだレポマンガ(?)です。

「日本で食うメシはどこ行っても70~99点、でもグルメで赴くことのないような危険地帯で食べるメシは20点か5万点」という作中登場人物の言がありますが、チキンなので一人で海外旅行なんて夢のような話であるわたしは、自分が一生たどり着くことのないである地点で食べる5万点の飯に非常に興味があります。でもそれにたどり着く前に無数の20点に巡り合う羽目になりそうだなと思うと、日本で暮らすってのは恵まれてるよな、とも思う。

かなり再現の難しいレシピが多いのですが、実際同じものを日本で食べられたとして、環境のスパイスというか、現地の空気感による味わいまで再現できるわけじゃないよな……と思うと、ひたすらにうらやましさが募る。やっぱ5万点を探しに行きたい、そんな気持ちになる作品。

悪役令嬢転生おじさん

Pixivで見かけて好きだったので買った作品。Pixiv発の良作は昨今いっぱいありますけど、気に入った作品にはやっぱお金落とさないといけませんね。お布施大事。

悪役令嬢転生ものはなろう小説では結構読みましたが、おじさんが美少女になるのはわかりやすく面白くていいですね。おじさんの絵がかわいいのですきです。
ゲーム内世界に転生する作品なのですが、どんどん主人公(おじさん)の周りからの好感度が上がっていくので、実際ゲームの主人公として設定されているアンナちゃんの恋路がまるで発展していかないのは少々心配である。あとおじさんの現実世界の様が描かれているので、普通に社会生活を送る一人の父親としてのおじさんの生活が心配になる。早く戻れるといいね。

百合にはさまる男は死ねばいい!?

別に最近読んだわけじゃないんですが地味に布教の機会をうかがっており、いい機会なのでぶっこむ。これもPixivから知ったのですが今のところ単行本等が出ておらず、LINE漫画で連載しているのみとなります。

タイトルが強烈すぎるので先入観がやばそう、という話は作者さんがたびたびしているので、たびたびツイッターでRTしてもそんなにまわりの取っつきはよくなさそうだな……という思いが強い。しかし実際は普通に熱い吹奏楽マンガとして面白いのです。すっげー好き。吹奏楽のディテールが細かいので私のように中学でちょろっと吹奏楽かじっただけの人間でも昔を懐かしむ気持ちになれるぞ。
そして本気で音楽に打ち込んでる女の子たちがクソデカ感情ぶつけ合うさまは語彙力を失う。尊い……って陶酔するんじゃなく、青春ってこんな感じだよなあ……というリアルな苦味や痛みに似た感情を綺麗な絵で突きつけられるぞ。年取ってから突き付けられるには酷な感情だけれど、でも読み物としてはやっぱり読みごたえがあるし、百合マンガとしても面白いし、百合に挟まってくる男の子も「死ねばいい」では片づけられない好青年なので……ぜひ……

いっぱいマンガ読んで書くことがあるとうれしいぞ。仕事を再開しても続けられるといいのですが。

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