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2024/3月読んで面白かった本

3月は39冊読んだ、が、オープン戦が始まって野球観戦行ったり配信見てたりをしていたのでガッツリ読んだ気がしていない。ただ1日1冊は最低読もうと思って、その気力が続いたのはよかった。隙間時間にコツコツ読んだ。なおエッセイと小説ばかりで一切の自己啓発本とお勉強系には手を出さず、気楽に読書をひたすら楽しんでた。マジの娯楽。



1.黒祠の島(小野不由美)

「そう――ここは黒祠なのですよ」近代国家が存在を許さなかった“邪教"が伝わる、夜叉島。式部剛は失踪した作家・葛木志保の姿を追い求め、その地に足を踏み入れた。だが余所者を忌み嫌う住民は口を閉ざし、調査を妨害するのだった。惨事の名残を留める廃屋。神域で磔にされていた女。島は、死の匂いに満ちていた。闇を統べるのは何者なのか? 式部が最後に辿り着いた真実とは。

だいぶ前に読んだのにきれいさっぱり忘れていたので、新鮮な気持ちで読めた。小野さんの「屍鬼」が因習を内から見たものとするなら、黒祠の島は外から見たものなのかなと思ったり。屍鬼も今年のうちに読み直したい。


2.蜜蜂と遠雷/祝祭と予感(恩田陸)

俺はまだ、神に愛されているだろうか?
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、
そして音楽を描き切った青春群像小説。
著者渾身、文句なしの最高傑作!

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。

養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。

彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。
第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?

読もうと思いつつ手が伸びずにずるずると積読していた作品。読む前にせっかく映像があるんだからと映画を見てみたんだけど、悲しいまでに恩田陸要素はないわ、4人の群像劇なのに亜夜だけが主人公のようだし、というより亜夜の性格違いすぎない?(原作読んであまりの違いにびっくりした)とか色々思うところがあってもやもや。

原作はきちんとすっきり終わっているので人に勧めやすい恩田陸本として最強の一冊だなと思った。でもなんだかんだあの風呂敷なげっぱよくわからん終わり方も嫌いではないので、これが恩田陸作品で一番好きかと聞かれるとNOなんだけども。

個人的ハイライトは、亜夜が明石に貴方のピアノが好きと本人に告げるシーン、かなり目頭が熱くなった。いろんなタイプの才能と才能のベクトルの大小があるけど、どんなに辛くても苦しくても止めたくなっても続けられるってそれこそが才能だよね、なんて思ってたら恩田先生がインタビューで続けることが才能とズバリ仰られていた。

続編的スピンオフ短編集として「祝祭と予感」も面白かった。課題曲<春と修羅>を作曲した菱沼の、作曲するきっかけとなった話が断トツで好き。

似たような天才vs努力型優等生が描かれたの恩田陸本としては、「チョコレートコスモス」もよかったのでおすすめ。こちらは恩田陸版ガラスの仮面。


3.BLEACH Spirits Are Forever With You Ⅰ-Ⅱ (成田良悟)

空座町に現れた、仮面をつけた謎の女...。彼女をさまよう霊魂として成仏させようとした ドン・観音寺だったが、その出会いが観音寺を「十一番隊」、「群体の破面」、反乱を起こした「八代目剣八」、「死んだはずの十刃 らしき男」の戦いに巻きこむことに...! ! 黒崎一護が力を失った空白の期間を埋める、狭間の物語! !

ドン・観音寺の決め台詞が「spirits are always with you」なワケ。察して。成田良悟が大天才すぎてずっとワクワクしてた。勇気は世界を救い、英雄と持て囃された男は本当に英雄だったし、真の英雄に成るんですよ。BLEACH原作好きな人にこそ読んで欲しい。


4.MAZE/神原恵弥シリーズ(恩田陸)

アジアの西の果て、荒野に立つ直方体の白い建物。一度中に入ると、戻れない人間が数多くいるらしい。その「人間消失のルール」を解明すべくやってきた男たちは、何を知り得たのか?人間離れした記憶力を持ち、精悍な面差しながら女言葉を繰り出す魅惑の凄腕ウイルスハンター・神原恵弥を生み出したシリーズ第一弾!

神原恵弥シリーズの一作目。<人間離れした記憶力を持ち、精悍な面差しながら女言葉を繰り出す魅惑の凄腕ウイルスハンター・神原恵弥>、もうこれだけで面白いのが約束されてる。恵弥のキャラクターがいい。のめり込んで読んだ。「MAZE」→「ブラック・ベルベット」→「クレオパトラの夢」とシリーズを読み進める毎に面白さが増していく。今連載中の「傾斜のマリア」も発売されたら絶対読む。本当は小説推理のバックナンバー追いかけて読もうかと思ったんだけど、2019年から結構な冊数になってしまうので諦めた。早く読みたい。


4月も引き続き恩田陸を読むつもり。刊行本全制覇するのが目標。

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