サマーフィルムにのって を観た話(ネタバレあり)

8月6日公開

サマーフィルムにのって

を観てきました。

主演 元乃木坂46 伊藤万理華
監督 松本壮史
脚本 劇団「ロロ」主宰 三浦直之

時代劇オタクの女子高生監督が
主役に抜擢したのはタイムトラベラー!?

勝新を敬愛する高校3年生のハダシ。 
キラキラ恋愛映画ばかりの映画部では、撮りたい時代劇を作れずにくすぶっていた。 
そんなある日、彼女の前に現れたのは武士役にぴったりな凛太郎。 
すぐさま個性豊かな仲間を集め出したハダシは、 
「打倒ラブコメ!」を掲げ文化祭でのゲリラ上映を目指すことに。 
青春全てをかけた映画作りの中で、ハダシは凛太郎へほのかな恋心を抱き始めるが、 
彼には未来からやってきたタイムトラベラーだという秘密があった――。
(オフィシャルHPより引用)

観たい。と思った理由はシンプルで
伊藤万理華さんが主演だから。
何を隠そう推しメンだから。
純粋にこの映画を観たいと思った訳ではなかったが
すぐにそんな思いは覆った。


始まりはハダシの所属する映画部の
文化祭に向けての映画の進捗披露だった。
この映画が中々に寒くて題名は
「大好きってしか、言えねーじゃん」
ハダシも作中で言うように
映画のほとんどのセリフが「好き」「大好き」
思わず苦笑いをしてしまった。

映画部の制作に一人乗り気になれないハダシは
別の脚本を書いていた。
「武士の青春」
ジャンルは時代劇で主人公は10代の武士。
自分達と同じ年代が主役の時代劇を作りたい
そういう思いで書かれたものだった。
ハダシは生粋の時代劇ラバー。
好きな役者は勝新太郎。
ハダシの勝新は特徴を良く捉えていて素晴らしかった。
座頭市は全作拝見したが目の剥き方も居抜きの仕方もそっくりだった。

時代劇といえばどのような意見を持っているだろう。
古いもの。武士が切り合うもの。なんだか難しい。
気付いた時には時代劇自体が少なくなっており
令和の今、目にする武士といえば大河ドラマ。
水戸黄門や鬼平犯科帳、暴れん坊将軍などの
悪役を成敗する作品を見なくなったように思う。
視聴者層が変わり望まれないものになりつつあるとともに
髷の似合う役者さんが減ったこともあると思う。
時代劇には時代劇の良さがあるのだが。

映画部で制作しているものは「キラキラ青春映画」
ハダシの撮りたいものは「時代劇」
部活なので予算は限られており
年に一本撮れるだけしかなくハダシ案はボツ。
そんな鬱憤を晴らすかのように
同じく時代劇を好きな
ビート板(天文部)ブルーハワイ(剣道部)の2人と
廃バスの秘密基地で座頭市を観、真似をする。
映画は撮れないけれど好きなことを楽しみ過ごしていた。

そんなハダシの前に現れたのは、
「武士の青春」の主人公にイメージ通りの少年 凛太郎。
凛太郎を一目見たハダシは「武士の青春」を撮り
「キラキラ青春映画」の上映にぶつける!
ビート板ブルーハワイ凛太郎、そして
個性豊かな仲間たちとともに映画を制作することになった。

初めは手探りで制作していた撮影も
撮影を重ねる毎に新たな意見発見が生まれ
一体感が生まれていく。
そんな中で凛太郎がポロッと零した
「未来に映画はない」
その一言で舞台はクライマックスへと駆け抜けていく。

凛太郎のタイムパラドックスには深くは触れず
コミカルに話が進んでいくが
ハダシは混乱から抜け出せない。
そりゃそうだ、自分の好きな映画が時代劇が
これから進んでいく未来には存在しないのだから。

ラストシーンを考えようにも考え付かず、
凛太郎ともギクシャクしたまま迎える
クライマックスシーンの撮影。
舞台は海、主人公がともに歩んできた友を
仇と知り別れを告げ切るシーン。
「さよなら」のカットに納得がいかず
何テイクも撮り直しその日は解散。
次の日もハダシはラストが決まらず
撮影はストップ。
何も出来ず走る凛太郎とダディボーイ。
夜も更け足を止めた凛太郎の目の前にはハダシ。
声を掛けられたハダシは逃げ、追いかける凛太郎。
「映画を無くさせない」その言葉でハダシは
前を向き凛太郎とラストシーンと向き合うことになった。 

ここからは是非スクリーンで観て欲しいと
思うのでこれ以上は言わないでおきます。
個人的に好きなシーンは
逃げるハダシと追う凛太郎の足元のカット。
コンテナで作られた階段を
2歩で駆け登るハダシと
1歩で駆け登る凛太郎の
友情から恋愛に変化するようなイメージを持ち
凄くグッと来ました。
是非観て頂きたい。

そしてダディボーイ役の板橋駿谷さん
調べたら37歳らしく、
サカイ引越センターのまごころパンダのCMに
出演されているようで
つい最近だと、ドラマ ネメシスにも出演。
制服姿に違和感なく武士姿にも違和感がない
素晴らしい俳優さんだと思いました。

これ以上話したくなる前に
では、また

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