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私がイランに惚れた話。

今年の2月にはじめてイランに行き、一瞬にして心を奪われた23歳、ののかと申します。

また絶対イランに行くために帰国後ペルシャ語の勉強を本格的に始めた中、2024年4月6日に外務省からイラン全土に対しての渡航中止勧告が出されました。

外務省 海外安全ホームページより〈https://www.anzen.mofa.go.jp/riskmap/〉
2024年4月22日時点の情報

4月3日のイスラエルによるシリアのイラン大使館への攻撃をきっかけに中東地域での緊張が一層高まり外務省は今回渡航中止勧告を出しました。

Xではイランに対する批判的な投稿が増え、「過激」「危険」なイメージがますます高まり、イランに対して間違った認識がついているような気がして私自身モゾモゾしていました。イランに行った事がある身として言わせてもらうと、イランという国はとても多面的な国です。しかし、今回の件を発端に良い面も全て塗り潰されていっているような気がしたのでこのnoteではひたすら私がイランに惚れた理由について述べたいと思います〜!

イランは行く前と行った後では一番印象が変わる国だと言われています。私が一回行っただけで惚れたイランの魅力はここから覗けます〜*・゜゚・*:.🇮🇷


美味しいご飯

イランに惚れた1つ目のポイントはとにかくご飯が美味しいところです!!!ご飯が美味しい国を聞かれたらすぐさまイランと答えるくらいまぁ絶品なんです♡

イランの伝統的な料理の特徴は主食はお米とナンと呼ばれる薄いパン。お米は日本のもちもちしたお米とは異なり、パサパサしているので油を入れて炊いたり、バターを上に乗せて食べる。イラン人はカロリーなんて気にしません!。主食と一緒によく食べるのが「ケバブ」と言われるお肉料理です。日本でケバブと言うとお祭りの屋台で販売されるケバブサンドを想像すると思いますが、イランの「ケバブ」は鶏肉やひき肉、ラムを串焼きにした料理です。

イランのケバブ


ケバブ以外にもお魚料理や煮込み料理がメインの時もある。メインディッシュの他にサラダやスープもよく食卓に並ぶ。どれも美味しい…

イランの伝統料理の中で私が一番好きなのはほうれん草とお肉を煮込んだ「ゴルメサブジ」というシチューのような料理です。

ゴルメサブジ 写真下

ご飯の上にかけてスプーンで食べたりナンをつけたり。基本どこのイラン料理のメニューにもあるのでイランに行った際には是非一度試してほしいです!

イランの伝統料理を中心にイランの食文化について述べましたが、イランにはファストフード文化もあるんです!イラン人はハンバーガーやピザ、フライドチキンが大好きで、街の至るところにファストフードのお店があります。

そしてイランのご飯の特徴としては、とにかく量が多いです。イランのハンバーガーはビッグマックの3倍くらいの大きさです。イランのレストランで注文する際にはフードファイトする覚悟で注文してください〜!🔥


おもてなし上手で逞しい国民性

イランに惚れた2つ目のポイントはおもてなし上手でたくましい国民性です

イラン人はとにかくおもてなし上手です。ペルシャ絨毯のお店に入れば歓迎してお茶を出してくれたり、博物館のツアーで1つ質問をすれば10で返ってくる。観光地で写真を撮って欲しいと頼めば、15枚位いろいろな角度から撮ってくれる。時には写真映えするポーズまで指定しくれたりする。

お節介だといえばそうかもしれませんが、とにかく目の前にいる人に喜んでもらうための工夫や行動ができるのがイラン人のおもてなしです。

次にイラン人のどんな所がたくましいかと聞かれると、説明が難しいのですがひとりひとり強い意思を持って生きている感じですかね。私自身もまだまだ言語化できていないのですが、イラン人は何か問題が起きた時に対処する能力に長けていたり自分の主張をできる人が多かったり生きていく力が高いなと思いました。

まとめるとイラン人は芯が強く他人想いで素敵な国民性なんです!


イランの美的センス

イランに惚れた3つ目のポイントはイランの美的センスです。

これは私個人の好みかもしれませんが、イランのデザインや色彩は、ため息が出るほど美しいのです。

市場(バザール)で売ってあるアクセサリー


モスク
いろとりどりのペルシャ絨毯

どうしたらこんなに人を魅了する素敵なデザインが生みだせるのか。イランの美的センスがもっと世界中に広がり、評価されたら良いな〜と密かに思っています🕌💍


超のつく親日国

イランに惚れた4つ目のポイントは親日な点です。

イランは超のつく親日国なんです!イラン人に「何人?」と聞かれて「日本人」と答えると、顔がぱっと明るくなって急に心を開いてくれる瞬間に何度も出会いました。女子高生の集団やこ連れのイラン人に写真を一緒に撮ろうと頼まれる事も多々ありました。

いつか日本に行きたいと言ってくれる人、日本に興味を持ってたくさん質問してくれる人、イランと日本は似ている文化が沢山あると言ってくれる人もいました。

日本人というだけで急にお店の人の対応が良くなったりする場面もあり、こんなに国籍で得することがあるのかとちょっと複雑な気持ちにもなったが、心から日本人でよかったと思いました。

全てが新鮮

イランに惚れた5つ目のポイントは常に想像を超えてくる体験ができる点です。私はこれまで10カ国以上の国を訪れたことがあるのですが、ここまで一つの国に興味を抱いた事はありませんでした。イラン以外にもご飯が美味しい国や親日な国あります。

イランの何が自分の興味を惹きつけているのか、じっくり考えて辿り着いた答えは「自分の想像を常に超えてくる体験ができること」でした。好奇心旺盛な私にとってこれが一番イランに惚れた理由かもしれません。

例えばイランにファストフード文化があると聞いて驚きませんでしたか?山盛りポテトを食べる姿やハンバーガーにかぶりつくイラン人のすがたは普段ニュースで目にするイランの「危険」「過激」などのイメージからは想像できないと思います。

他にもイラン人の特に若い世代は意外とアメリカが大好きなんです。私はイランに行く前はイランとアメリカは敵対国のためイラン人はアメリカが嫌いだと思っていました。蓋を開けてみるとそんなことはありませんでした。私がイランで出会った学生はいつかアメリカに留学したいと話していたり。イランにスターバックスの店舗はないがスタバのタンブラーを持ち歩いている学生もいました。

政府同士が敵対しているだけで個人単位でイラン人見るとアメリカに憧れを持っていたり、興味を持っているイラン人は沢山いるんです。

もう1つだけ例を挙げるとイランはイスラム教徒の国なので法律でお酒が禁じられています。しかしみんなこっそりベランダで作っているとかいないとか。。笑

こんな感じでイランは凄く多面的で凄く面白い国なんですよね。私自身イランに滞在している期間毎日が新鮮で、イランの事を知れば知るほどイランがどんな国か分からなくなるような沼に陥りました。笑

イラン滞在中「常に想像を超えてくる体験」ができた要因は2つあると思っていて、1つ目はイランについての情報に接する機会がこれまで少なかったからだと思いました。小学校、中学校、高校と振り返ってもイランの歴史や文化について学ぶ機会はほとんどなかったと思います。

2つ目はイランについてのニュースが流れてきてもイラン政府の声明や各国のイランを批判するような内容ばかりでとても偏った情報しか報道されていないと思いました。これらの偏ったニュースを日々消費しているうちに、イランに対しての「危険」や「過激」という先入観が構築され、実際にイランに行くと自分が日本で見聞きしたニュースとの現地のギャップが大きすぎるが故に一瞬一瞬が新鮮に感じました。結果的に想像を超える体験の連続だったのではないかと思いました。

イランは現地に行かないとわからない事だらけです。行った自分だけがその魅力を知っているような感覚が、私をイランにハマらせているのかもしれません。

終わりに

4月1日にイスラエルがシリアのイラン大使館を攻撃し7名の将官が亡くなった事件を発端に中東の緊張感が一層増しています。

イスラエルが今回在外公館を攻撃した事は国際法上大問題です。

ところがG7はイスラエルを擁護しイランを批判しました。日本政府もG7に足並みを揃えてイランを批判する声明を出しました。

日本政府の対応にどれくらいの日本人が腑に落ちたのだろうか。

日本はイランと友好関係を築いてきた歴史があります。そしてイランはとても親日の国です。

私がイランを訪問した際にイラン政府関係者と話す機会が何度かありました。彼らからは日本に対して独自外交を期待している姿勢を強く感じられました。

故に日本政府はもっと違う働きかけができなかったのだろうか。今回の件に関して日本政府に対して疑問が募るばかりです。

2024年2月13日 イランの外務省でアジア太平洋局のモハディー局長を表敬した時

ここまで読んでいただきありがとうございました。

このnoteはあくまで私個人の実体験を基にした記述になります。また、ここに述べた情報は2024年4月25日時点での情報のため、今後社会情勢を受けて変化する事があります。また、私個人としてイラン政府を特段支持している訳ではない事ご了承ください。

終わらないガザへの破壊。イランをはじめ、中東地域の平和、そして解放を願うばかりです。

イランに渡航できる日がまたすぐに来ますように。

古賀野々華




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