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『PERFECT DAYS』


先日、都内が大雪の日だって言うのに
気分になっちゃったんだから仕方がないと
観に行ったこの映画。

普段、アクションやサスペンスなど
感情や心理に訴えかける内容を好む私にとって
とても正反対の世界で
それはそれでこの時間で何を感じ取ろうかと
興味を惹かれた。

冒頭から、淡々と
主人公のこだわりのある丁寧な生活が
静かに描かれ、
それと共に現代の東京の景色と
コントラストのように
1960年代のミュージックが
日常のBGMとして流れる。
それがなぜだか心地よくて、
同じ現代の東京に暮らしているのに
憧れを抱いた。
いま、外国人に現代の日本を紹介するなら
この映像はイントロダクションになるのかな

この作中でまず静かに驚いたのは
主人公の職業が、公衆トイレの清掃員だったこと。
絶妙なところだなと。
(後に調べるとこれは「THE TOKYO TOILET」という
プロジェクトの一環だと分かったのは私の下調べ不足)
とまあ、上映中はそう思ったわけで。
でも主人公が心を込めて、こだわりを持って
トイレを清掃する姿に、
公衆トイレはみんなが使うものなんだから
使う人も大切に綺麗に使ってください、と
薄れてきた当たり前の考えを
考えさせられたなと勝手に感じた。
そこがまた日本人らしい気もする。
同時にせっかく綺麗でモダンな公衆トイレが
設置されたのだから、
日本のまちづくりに誇りを持って欲しいと
建築的な目線で受け取った。

繰り返しの美学、ルーティンの持つ
安定した幸せ
どんなこともプロ意識や自分の中で
しっかりと気を保つ事で
とても潔く美しいものとなる
無意識の中にある幸せに気づいた時
人は自分の幸せを少しわかるのかも知れない
どんなことがあっても
この先なにが起きても
きっと人は小さな幸せなの中で
生きていて、気づけないくらい
大きな幸せの中に包まれているのかも。

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