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衣・食・住・音〜音楽を続けて生きるには

思い出野郎A チームというバンド知っていますか?
メンバー全員が多摩美出身のソウルファンクバンドで、やっていることはとても洒脱でかっこいいのにどこかイナタい。ぜひYouTubeで“ダンスに間に合う”という曲を検索してみてください。現代人に向けた最高のアフター5アンセム。(歌詞泣けます。)
その思い出野郎Aチームも所属する、インディペンデントの音楽レーベル“カクバリズム”の代表 角張渉さん著“衣・食・住・音〜音楽仕事を続けて生きるには”が今回の推薦書です。

もともとカクバリズムは著者が2001年にバイトしていたライブハウスを辞める際に企画したイベントの名前だったそうで2002年にはじめて音源をリリースし去年15周年を迎え、個性豊かなミュージシャンを抱えています。
その代表、角張さんは「音楽とビジネス」について
“ぼくは、世間の多くの方から見てすごく成功しているというような人間ではありません。ほんと、普通の中小企業の社長としてそれなりに頑張って経営しているんだけど、語弊を恐れずに言えば、そもそも音楽とビジネスの相性は、ぼくはそれほど良くはないと思っています。
〜中略〜 
あまりに商業的な結果を求めすぎて熱いものがなくなったよねと、言われないように距離感をとることが音楽の世界では割と重要視されている 
〜中略〜
つまり結果だけでなく継続的な姿勢が求められるジャンルの仕事でもある”と分析している。

キング・オブ・ポップのマイケルジャクソンは、基本的に楽しく踊れるポップミュージックですが、アルバムをよく聴いてみると、ちゃんと実験的というか、ファンがもとめているものの先を提案しているし、今年40周年のサザンオールスターズも、珠玉のバラードをヒットさせた後は、わざとエッチな曲やフザけた曲を出して、売れすぎないようにうまくバランスをとっているという話にリンクするところがあった。

“続けることがいいことなのか?”の中で、“日本人は、定住、継続、忍耐を好む日本人に支持されやすい要素が、「長く同じ仕事を続けること」なんじゃないのか。駅伝、マラソンみたいなものでの頑張りを高く評価する傾向が強くないか? ”と疑問を投げかけていて、音楽というのは長く続けている素晴らしいアーティストもいる一方で、鮮烈なアルバムをたった一枚出して解散するバンドだってかっこいいよな、という価値観がしっかりあるジャンルだとあった。
こういったニュートラルな考え方がこのレーベルの魅力なのかなと読んでいて思った。

角張さんはレーベルの魅力についてこう語っています。
“1つだけ誇れるとすれば、ぼくが自分のレーベルで出してきた音源は「ある時代の流行りに過ぎない」という枠を超えて、10年後聴いても大丈夫と思える音源しか出してこなかったことだと言う。”

どの業界でも、ビジネス的な成功がもとめられるのは当たり前だし、当然ですが、このカクバリズムみたいなレーベルが頑張っているという事は、多くの人に希望を与えていると思います。

追伸:在日ファンクの“或いは”という曲もオススメです!

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