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宇宙就職案内

1961年、ソ連のガガーリンは人類初の有人宇宙飛行を成功させました。

それからおよそ60年、宇宙開発は国家プロジェクトからイーロンマスクのスペースXなどの民間企業へとシフトしています。ということは、宇宙で働く機会が身近になってきたということ。

今回の推薦書は、宇宙を職場にするための “宇宙就職案内”です。

宇宙で働くと聞くとまず思い浮かぶのは宇宙飛行士だと思います。

1969年7月にアメリカのアポロ11号が人類初の月面着陸を成し遂げてから、1972年までに12人のアメリカ人宇宙飛行士が月面を歩いているのに、それ以降人類は月に戻っていません。

ではアポロ計画の後、人類は宇宙でいったい何をしていたのでしょう?

注目したいのは宇宙飛行した人類の“延べ日数”。約38000日となり、年で計算すると約100年分を宇宙で過ごした。つまり人類は「遠くの宇宙」を目指すかわりに「宇宙で暮らす」ことを選択したとあります。

地上400キロにある国際宇宙ステーションではこの瞬間も人が暮らしています。

その宇宙で暮らし始めた理由には大きく2つあります。1つは、宇宙は“使える”空間だとわかったこと。

無重力という環境でしかできない、ガンやインフルエンザの新薬の研究や、気象、放送、通信衛生など高い位置にあることから、広い範囲を一度に観測、送信できるというメリット。そうした宇宙利用の可能性に気づき、「宇宙を仕事場」にし始めた。もう1つは更に遠くの宇宙を目指すための「実験台」という意味合いで、いまの技術では火星に行くまでに半年以上かかるため、長い期間、無重力状態におかれ、さらに宇宙船という閉鎖的な環境の中でうまく人間関係を築くことができるかなど、肉体と精神の研究が目的となっているそうです。

ちなみによく虫歯があると宇宙飛行士になれないといわれていますが、きちんと治療してあれば、大丈夫だそうで、視力についてもメガネをかけた時と、かけない時、それぞれ一定以上の視力があれば問題ないそうです。

宇宙飛行士を24時間体制で地上から支える管制官の仕事も詳しく説明されていて、その中で、宇宙でもっとも大切なことはやはりチームワークとコミュニケーションとありました。

アポロ13号はトラブルに見舞われながらも、宇宙飛行士全員を無事に生還させたとしてNASAでは“最も成功した失敗”と受け継がれているそうですが、その時のフライトディレクター、ジーン・クランツの仕事に対する姿勢を示した10ヶ条は、日々の生活にも生かせそうです。

1. Be Proactive  (先を見越して動け)

2. Take Responsibility (自分の担当は自ら責任をもて)

3. Play Flat-out  (きれいになるまでやり通せ)

4. Ask Questions (不確実なものはその場で質問をして把握せよ)

5. Test and Validate All Assumption (考えられることはすべて試し、確認せよ)

6. Write it Down   (連絡も記録もすべて書きだせ)

7. Don’t hide mistakes (ミスを隠すな、仲間の教訓にもなる)

8. Know your system thoroughly (システム全体を掌握せよ)

9. Think ahead (常に、先を意識せよ)

10. Respect your Teammates (仲間を尊重し、信頼せよ)

20年前IT産業がいまほどメインストリームではなかった事を考えると、20年後には宇宙で仕事するのは当たり前になっているかもしれません。


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