腸内細菌叢移植はIBDの臨床転帰を改善する： メタアナリシス

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腸内細菌叢移植はIBDの臨床転帰を改善する： メタアナリシス

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ダミアン・マクナマラ, MA

2023年10月31日
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カナダ、ヴァンクーバー-腸内細菌叢移植（IMT）は、一般に糞便微生物叢移植（FMT）とも呼ばれ、標準治療と比較して炎症性腸疾患（IBD）患者の臨床反応と臨床的寛解を有意に改善することがメタ解析で明らかになった。

「ミズーリ大学カンザスシティ校医学部の内科レジデントであるIfrah Fatima医学博士は、「しかし、内視鏡的寛解については統計学的な改善はみられませんでした。

イフラ・ファティマ医師

潰瘍性大腸炎やクローン病の患者にとって、IMTが腸内細菌叢を構成する細菌のバランスを回復させるのであれば、IMTは有益であると考えられる、とファティマ氏は米国消化器病学会（ACG）2023年学術総会のポスターセッションで研究結果を発表した際に述べた。

Fatima氏らは、標準的な医学論文データベースを検索し、IMTと標準的なIBD治療を比較した10件の無作為化対照試験を同定した。参加者の83％が潰瘍性大腸炎、17％がクローン病であった。IMT群の平均年齢は39歳、対照群の平均年齢は35歳であった。

IMT群では標準治療群の約2.5倍の臨床的寛解が得られた（オッズ比[OR]、2.47；95％CI、1.57-3.88；P < 0.01）。IMT群では臨床的寛解を達成する確率も約2倍であった（OR, 1.99; 95%CI,1.18-3.34;P=0.01）。

IMT群では内視鏡的寛解が得られやすかったが、統計学的に有意な差ではなかった（OR, 1.89; 95% CI, 0.93-3.83; P = 0.08）。

さらに、IMTは標準治療と比較して有意な大腸炎の悪化とは関連していなかった（OR, 0.75; 95% CI, 0.38-1.48; P = 0.40）。

「これらの研究から、IMTが多くの人に害を与えていないことがわかります」とFatima氏は述べた。

サブ解析として、Fatima氏らは潰瘍性大腸炎とクローン病におけるIMTの有効性を比較した。

潰瘍性大腸炎では臨床的寛解が有意に改善した（OR, 2.6; 95% CI, 1.63-4.15; P < 0.01）が、クローン病では改善しなかった（OR, 2.26; 95% CI, 0.25-20.12; P < 0.46）。

潰瘍性大腸炎患者におけるIMTに有利な臨床効果の有意な改善も同様であった（OR, 2.4; 95％CI, 1.14-3.62; P < 0.02）。クローン病患者における改善は統計的に有意ではなかった（OR, 1.33; 95% CI, 0.24-7.28; P < 0.46）。

Fatima氏らの次のステップは、出版に向けた完全原稿の準備である。

内視鏡的寛解を評価する時間
「以前に実施されたランダム化比較試験の結果は、製剤、調製法、投与方法によって異なるかもしれませんが、今回の解析で、特に潰瘍性大腸炎におけるFMTの有益な効果が再確認されました」と、SSMヘルスクローン・大腸炎センター（オクラホマ州オクラホマシティ）所長のTauseef Ali医学博士は述べた。

「意外なことに、今回のメタ解析では内視鏡的寛解効果は報告されていません。「これは、内視鏡的寛解を評価する時間や、臨床試験における内視鏡的寛解の定義や評価が異なることが関係している可能性があります。おそらく、内視鏡的奏効または改善がより良いエンドポイントになる可能性があります」。

「IBD、特にクローン病と袋炎におけるFMTによる内視鏡的改善と持続的寛解を評価するためには、より標準化された製剤と投与方法を用いた今後の大規模試験が有益であろう。

「おそらくいつの日か、IBD治療に対する反応を予測したり、持続的寛解や治癒を達成するために個人の微生物シグネチャーを操作したりすることができるようになるでしょう」とアリ氏は述べた。

米国消化器病学会（ACG2023）。抄録P3624。2023年10月23日発表。

本試験は独自に支援された。FatimaとAliは、関連する金銭関係はないと報告している。

Damian McNamaraはフロリダ州マイアミを拠点とするスタッフジャーナリストである。感染症、消化器病、クリティカルケアなど幅広い医療分野を担当。ツイッターでダミアンをフォロー： @MedReporter.

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