家スズメの雛は腸内細菌によって成長を制限されるが、消化能力の制限を受けることはない


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統合動物学第13巻第2号 p. 139-151
原著論文
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家スズメの雛は腸内細菌によって成長を制限されるが、消化能力の制限を受けることはない

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1749-4877.12289

ケビン・D・コール、アントニオ・ブルン、セス・R・ボーデンシュタイン、エンリケ・カビエデス・ビダル、ウィリアム・H・カラソフ
初出:2017年11月23日
https://doi.org/10.1111/1749-4877.12289
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概要
最近の研究では、宿主に関連する微生物が動物に与えるサービスや有益な効果がしばしば賞賛されている。しかし、これらの微生物を宿主とすることは、代償を伴う場合がある。例えば、抗生物質で処理された無菌の鳥類は、従来の鳥類よりも成長が早い。野生動物では、幼鳥の体格は生存率と相関しているため、微生物群を宿主とすることは、体力的な負担となる可能性がある。鳥類の幼体は、脊椎動物の中で最も速い成長速度を示し、その消化能力によって成長が制限されることから、これらの相互作用を調べるための興味深い研究系となる。我々は、抗生物質処理による微生物相の減少・再構築が、以下のような効果をもたらすかどうかを調べた。(1)巣立ちしたスズメ(Passer domesticus)の成長と食物変換効率を高めるか、(2)腸の構造または機能(特に消化性糖化酵素の活性と食物変化に対応したその調節)を変えるか、(3)微生物分類群の相対量と消化機能および巣立ちの成長の間に相関が見られるか、について調べた。抗生物質投与は、雛鳥の成長と食物変換効率を有意に増加させた。抗生物質は、腸の解剖学的構造には影響を与えなかったが、腸のマルターゼ活性を低下させた。また、微生物群の存在量と宿主の生理学的側面との間に有意な相関は見られなかった。全体として、微生物が誘発する発育期の鳥類の成長制限は、消化能力との相互作用によって引き起こされるものではない、と結論づけた。むしろ、免疫機能のエネルギー的・物質的コストの低下、あるいは抗生物質処理下で濃縮された微生物からの有益な効果が、これらの効果の根底にあるのかもしれない。腸内細菌群集を宿すことのコストとトレードオフを理解することは、今後の研究課題である。

参考資料
参考文献
この記事を引用しています。
Kohl KD, Brun A, Bordenstein SR, Caviedes-Vidal E, Karasov WH (2018). 腸内細菌は家スズメの巣立ち(Passer domesticus)の成長を制限するが、消化能力の制限を通さない。Integrative Zoology 13, 139-51.

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