カエルが暑さを乗り切るには、腸の中に何があるか？

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カエルが暑さを乗り切るには、腸の中に何があるか？

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投稿日: 2023年11月2日 作成者: Kelly Grooms

両生類は世界で最も絶滅の危機に瀕している脊椎動物である。両生類は体温や水分レベルを自分で調節する能力がないため、気候変動がこの危機の拡大に大きな役割を果たしている(1)。気候変動はいくつかの方法で両生類の生存に影響を与えます。生息地の喪失に加え、干ばつが深刻化することで体内の水分レベルを維持することが困難になり、 気温が上昇することで繁殖に必要な活動期間が制限されるだけでなく、熱ストレスのリスクも高まります。

暑さへの耐性は種によって異なり、何がこの違いに影響しているのかを理解することで、種の生存を予測することができるだろう。腸内細菌叢は宿主動物の様々な機能に影響を与えることが知られており、最近では宿主の暑熱耐性における腸内細菌叢の役割について研究が始まっている(2)。

カエル2種の物語
カエルは多様な気候の中で生存している。アオガエル（Lothobates clamitans）とアマガエル（L. sylvaticus）は近縁種であり、似たような環境に生息しています。アマガエルは涼しい春の水域で卵から成体まで素早く成長しますが、アオガエルは暖かい夏の水域でオタマジャクシの時期が長くなります。 当然ながら、アオガエルのオタマジャクシはアマガエルよりも高い水温に耐えることができます。南イリノイ大学とカナス州立大学の研究者が9月（2023年）にbioRxivで報告した研究では、アマガエルのオタマジャクシの腸内細菌叢をアオガエルの腸内細菌叢に近づけると、オタマジャクシの耐熱性が向上することがわかった(3)。

オタマジャクシは孵化すると、卵ゼリーの一部と周囲の池の水を食べる。研究チームはこの行動を利用して、アマガエルの卵を抗生物質溶液で洗浄し、その水にアオガエルの腸内細菌を接種することで、アマガエルのオタマジャクシの腸内細菌叢に影響を与えた。その結果、オタマジャクシが孵化して卵ゼリーを食べたときに、アオガエルの細菌も摂取した。

アオガエルの腸内細菌叢はアマガエルのオタマジャクシが暑さに耐えるのを助ける
一部のアオガエルバクテリアを食べたアマガエルのオタマジャクシは、自然の池の水に放置された卵のオタマジャクシや抗生物質溶液で洗った卵のオタマジャクシ（37.3℃）に比べて、高温（38.3℃）に短時間耐えることができた。温度耐性の変化は小さいが、たとえ1度でも耐性が高まれば、環境水温が上昇するにつれて生存に重要な役割を果たす可能性がある。

アオガエル菌にさらされたオタマジャクシの微生物相を分析したところ、より多様な集団が確認された。研究者たちは、より暑さに強いオタマジャクシの微生物叢に存在する幅広い微生物群を特定したが、微生物叢のこうした変化が宿主の暑さ耐性をどのように変化させるのかという謎はまだ解明されていない。

参考文献
Luedtke, J.A., et al. (2023) 新たな脅威に直面する世界の両生類の継続的減少。Nature 622, 308-314.
Fontaine, S. and Kohl, K. (2023) The microbiome buffers tadpole host from heat stress: a hologenomic approach to understand host-microbe interactions under warming. J. Exp. Biology 226, jeb2451913.
Dallas, J. et al. (2023)Heat tolerance is Affected by the Gut Microbiota in a Vertebrate Ectotherm bioRxiv preprint (doi: https://doi.org/10.1101/2023.09.07.55668.
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ケリー・グルームズ
プロメガ・コーポレーション サイエンティフィック・コミュニケーション・スペシャリスト
アイオワ州立大学（アイオワ州エイムズ）で遺伝学の学士号を取得。プロメガ入社以前は、サンディエゴとマディソンのバイオテクノロジー企業に勤務。ケリーは夫、息子、娘とともにマディソン郊外に住んでいる。趣味はジュエリー、読書、執筆、編み物。黒帯の彼女は、娘と一緒に空手の練習をしたり、ハイキング、サイクリング、キャンプを楽しんでいる。
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